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店主日誌:185
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2017年06月30日
 


既に昨日、結構な話題となっていましたからご存知の方も多いと思います。
SONYが29年ぶりにアナログ・レコードのプレス生産を開始するそうです。

最初、ネットのニュースをたまたま見て知りましたが、その晩にはNHKと民放で、さらっとではありますがTVニュースに取り上げられ、一般的にもちょっとした話題なんだなと再認識しました。

ソニーは今年2月にすでにカッティングマシンは導入済みでマスター・ラッカー盤のカッティングは始めていますが、これでレコード生産の全工程を自社内で行う体制が整ったことになります。

このプレス機は、CDなどのディスク製造を行っている工場、ソニーDCCジャパンに設置されましたが、写真を見た限り導入はまず1台のようで、アメリカのように大きなところではプレス機が20台も30台もあって、そうした工場がいくつもあるのと比べると、まだまだとの感はあります。
でもまずは一歩、レコード生産がし易くなってタイトルも増え、コストも下がることに繋がれば、嬉しいですね。
見守っていきたいと思います。
2017年06月10日
 

 
今回で3回目となる「アナログオーディオフェア2017」(於、秋葉原・損保会館)に行ってきました。
アナログオーディオを中心に扱う私どもにとって最も親近感のあるショウであり、毎回楽しみにしています。

今回は早めに帰らなくてはならなかったので、珍しく午前中に出て昼前11時過ぎに着きましたが、損保会館の入り口に来て、おや、何か変だな。
それもそのはず1日目は昼12時開場なのでした。このショウは当日搬入なので出展する方々は大変、それで1日目はお昼からなのです。皆さんに案内しておきながら、自分で時間を間違えるとは、いつもながら抜けてます..。
既に入り口で待っている方も何人かいましたが、仕方がないので秋葉原に行き少しパーツを物色、その後コーヒー店で時間をつぶしました。

会場は全部で4階にわたっていますが、中でもいつも楽しみにしているのが2階。ここではスピーカーでの音出しは不可ですが(音出しはヘッドフォン)、他ではお目にかかれないメーカーや初出展のメーカーなど、いつも新鮮な発見があります。

GLANZ のハマダ電気はいつも通りトーンアームをずらりと並べて展示。今回は上級シリーズのショートアームを新開発して、クリアオーディオのOVATION ターンテーブルに搭載、特別コラボレーション・モデルとしてデモしていました。

めったのお目にかかれない、ドイツ AMAZONの(大手通販会社とは関係ありません、念のため)AMAZON2 ターンテーブルはSME の旧アーム、3009 と組み合わせていました。
その隣のZYX ブースにはallegro のフォノカートリッジ・キーパーと、YMK のジルコニア(セラミック)製ヘッドシェルが初お目見え。どちらも期待のアイテムです。

カートリッジのPlatanus とプレーヤーのWell Tempered はショウ初登場。
音出しはしていませんでしたが、プラタナスは主宰者の助廣氏自ら説明に立っていました。
制作者自身に直接聴きたいことを訊くことが出来るのも、この会場の大きなメリットです。往々にしてちょっと音を聴くよりも参考になることがあります。

このショウを主催するベルドリームサウンドからも、カートリッジキーパーが登場。
こちらはクラシカルな木製ケースに収められてなかなかシックな雰囲気。近々発売予定とのことです。

アナログ・アクセサリーで話題のi-qual アイコールは、かつてのオーディオテクニカ傑作モデル復刻・第二弾といえるアイテムを参考出品。近々に正式発表となるはずですので、乞うご期待!
Audio Desighn からは、プレーヤーの独クリアオーディオ用のオプション強化電源が登場。Performance DC のユーザーには是非使って頂きたいアイテムです。

二つ上がって4階では(3階はイベント会場)、ちょうど光電カートリッジのDS Audio が大勢を集めてデモの真っ最中。
熱く語るのは代表の青柳氏。国内外で数え切れない数のデモ,講演を重ねてきているからでしょう、じつに分かり易く説得力あるプレゼンテーションに感心、終了時の大きな拍手も当然と思われました。
ドイツ、ミュンヘン・ハイエンドショウの後、国内でのプレミアとなる新製品DS002 が素晴らしいサウンドを披露していました。

AIR TIGHT エアータイトでは現在開発中という新型真空管プリアンプ(試作機)で音出ししていました。フォノイコを内蔵するこのプリは60万円台となる予定とのことで、期待されます。

一番上の5階では、Phasemation が300BパラシングルのMA-2000 でSonus faber の大きなスピーカー IL CREMONESE を朗々と鳴らしていました。とくに米COLUMBIA オリジナル盤で聴くD. ブルーベックのTake Five はまさに鮮烈。
大の音楽&レコード・ファンである開発者・斉藤氏の言葉、
「固体の中を背中を押し合いながら電子の動く半導体に比べ、真空中を電子が飛ぶ真空管は元々大変ハイスピードな素子である」
「英DECCAは国外でのマスタリングを信用しておらず、金属マスター原盤を各国へ送ってプレスさせていたため、国内キングレコードの初版はほぼ本国のオリジナル盤と同等の音質を有する」
とうのは、常々私どもが力説している点で、わが意を得たり感たっぷりでした。
それにしてもTIME OUT(TAKE FIVE の入ったアルバム)の6-eyeオリジナル盤、欲しいなあ!

隣、TOP WING トップウィングのブースでは話題のカートリッジ「青龍」を台湾Tien Audio のプレーヤーで初披露。なかなかは入れなく程の盛況ぶりでした。

アナログ・オーディオはこのショウで見られるような小規模メーカーが支え、面白くしているといえます。こうした場で気に入ったところを発見し、是非応援して頂きたいものです。
2017年06月06日
 
レコードの発送でよく利用している、郵便局の「ゆうメール」の料金が今月、6月1日から値上げされました。

A4サイズまでは従来通りですが、それ以上の大きさは新たに「規格外」とされ、新しい料金の対象となりました。
レコードもこのサイズですので、今までと比べて100 円程の値上げとなります。

それでもレコード配送手段としては現在最も安価です。よろしくお願い致します。
2017年05月15日



音展'17に行ってきました。

音展は幅広くAV,ハイレゾなど総合展のイメージが強かったので、今まで余り馴染みがなかったのですが、今回はインターナショナルオーディオショウと同じく東京国際フォーラムでの開催で、お世話になっているメーカー,代理店も多く出展するということもあって、初めて行ってきました。
とは言っても時間に限りがありましたので、事前にパンフレットに丸をつけた所のみ周りました。

いつものようにセミナーや評論家の講演時間は混みますので避けて、一番上、6階からスタート。
最初に入ったオーディオデザイン は独立した部屋でELACの小型スピーカー、BS312 を鳴らしていました。
期待通り、大きさを超えた鳴りっぷりで聴かせ、オーディオデザインのシンプルなアンプにピッタリの洒落た組合せと感じました。

同じ階のDYNAUDIO も見逃せ、いや聞き逃せません。
以前も聴いていますが、ニューカマーのCONTOUR コンター・シリーズが目玉です。鳴っていたのはシリーズ最上級機、CONTOUR 60。スリムながらも高さが135cmあり、結構堂々たる体格。椅子に掛けて聴くとミッドとトゥイーターは少し見上げる形となります。
最後に聴いたショスタコーヴィチ/交響曲第10番のスケルツォは余裕でクリア、大人の再現です。ただこの曲の狂気をさらけ出すには、もっと上級クラスのアンプやプレーヤーが必要かもしれません。まだまだ潜在能力があることを実感させてくれました。
いずれにしても新しいコンターはディナの最近の傑作であることには変わりありません。

ひとつ階を降りて5階ではまずアイレックスのブースへ。
昨日お客様に納めたばかりのイタリア産パワーアンプ、AUDIA FLS4 と対になるプリアンプが初お目見えというので早速伺いました。
そのプリ、FLS1 は高さを少し抑えながらも独特の造形で存在感あるアピアランス。最初に入ったサンプルがブラックだったということで、より精悍さが増したように見えました。音はまだですが、いずれじっくり聴かせてもらいましょう。

もうひとつ注目作がリトアニアのターンテーブル・メーカーReed の新製品、Muse 1C。これもここで初のお披露目となります。
リード・ターンテーブル3兄弟の末弟ですが、ボディの材質・構造が異なるため意外にもサイズは最も大きく、結構な存在感。上級機を継承する2モーター式のベルトドライヴが特徴です。
ユニークなのは33,45はもちろん、78と何と16回転(!)まで対応している点。かつてアメリカを中心に一時期16 2/3rpm という回転数のレコードがあったのですが、それも再生可能。持っている人はほとんどいないでしょうが。

リードにはもうひとつ初お目見えの注目作があります。トーンアームのReed 5T。
これがスゴイ。スイスのThalesが先鞭をつけたスライド動作に依らないリニアトラッキングアームですが、リードはリニアモーターとレーザー光による位置制御によってアームを精密にリニアトラッキングさせるというアームを製品化してしまいました。設計者のトゥリウカス氏(何回聞いても覚えられません..)、レーザーを利用したメカトロニクスでは右に出る者がなさそうです。

1階降りて4階には小さなテーブルでの出展社が沢山並んで、秋葉原部品街のよう。面白いものがいっぱいありそうです。
但し今回は時間の関係でほんのつまみ食い、決めておいたブライトーンのコーナーへ。
お目当てのひとつは米High Fidelity Cables の最新シリーズ、Reveal リヴェール。同社独自の「磁気伝導」技術を応用したケーブルで、従来のトップエンドシリーズのエッセンスを継承し、最大限コストを抑えたモデルです。1mのRCAラインケーブルで110,000円/ペア、これなら現実的な価格です。

ブライトーンではもうひとつ、新しく扱いが始まったアメリカのメーカー、Stillpoints。独自の制振理論によるオーディオアクセサリーをリリースしています。
今回注目したのはアナログ・プレーヤー用のレコード・スタビライザー、LPI。精巧なマシン加工で仕上げられており、重量は700gありますので、適合不可のプレーヤーも出てきます。
内部にはいくつもの小空間があり、その中に小球を複数仕込むことで効果的に振動を吸収します。

土曜日に比べると人の入りがもうひとつとも感じましたが、ビジュアルやハイレゾ、ポータブルオーディオなどが中心といったイメージを超えて、今年はさらに充実したショウへと脱皮していく意気込みが感じられたのは収穫でした。
2017年05月06日



前回、千葉県からお越し下さったお客様について書きましたが、先日は相次いで遠方からお得意様がお立ち寄り下さり、お土産話を伺いながらの楽しいひと時となりました。

お一方はもう長らく私どもでレコードを購入頂いているお得意様で、長野県から。
確か3度目となりますが、以前はお持ち下さった貴重なレコードを引き取らせて頂いたこともありました。
長野のお住まいのあたりではちょうど桜が満開とのことで、今年は少し暖かくなるのが遅いかなとのお話でした。

私どもの試聴機材が少し変わりましたので、それでレコードを聴きながらコーヒーブレイク。
今回はジョージ・セルがクリ―ヴランド管弦楽団を指揮して入れたシューマンの交響曲全集(3枚組)をお買い求め下さいました。ちょっとした荷物になるにもかかわらず、本当にありがとうございました。

翌日、お越しになったのは北海道のお得意様。
以前からレコードケア用品やオーディオ・アクセサリーを購入頂いているヴェテラン・オーディオファイルです。
実際のご来店は初めてでしたが、北海道へ移られる前は都内にお住まいで、当店のある荻窪近辺にはお知り合いもおられるとのことで、このあたりのこともよくご存知でした。
網走も例年よりも冷えるようで、このときはまだオホーツク海遠くには白い流氷が残るのも見られたそうです。

アナログ・プレーヤーは以前お使いだったEMTをLINNへと変更、スピーカーはかつて一時期国内にも輸入されていた米国の大型システムで、スリムながらも高さは人の背丈ほどもあり、縦方向に多数のトゥイーターとミッドレンジが並ぶタワー部とその下のダブルウーファー(+ドロンコーン2本)部分に分かれ、さらにそれらをDSPを使って鳴らすという大規模なものです。
お願いして、お帰りになってから写真を送って頂きましたが、これをゆったりと鳴らして聴くバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタは格別とのこと。とくに雪のしんしんと降るなかでは普段でも静かなリスニングルームはさらに思わず耳をそばだてずにはおかない静寂の世界となるそうです。
これには汚れの無い良質な電源も一役買っているに違いなく、いずれにしても都内では容易に得ることの出来ない羨ましい環境です。
現在、サブシステム用のフォノイコの選定をお手伝いさせて頂いています。
機会がありましたら、どうぞまたお越し下さい。
2017年04月05日
 

 
今日は本当に暖かくなり、いよいよ春本番と思わせる日和でした。

午前中はタイヤ屋さんへ行って、クルマの冬タイヤ(スタッドレス)をノーマルに交換してもらっている間に、すぐ近くを流れる神田川の端に並ぶ桜並木を観に行きました(写真)。
まだ7~8分咲きというところかな?
それでも天気の良いこともあって結構満足、すぐ後ろを高架の京王井の頭線が走っていました。

今日は千葉県からお客様が、EAR 834P フォノイコの試聴にお越し下さいました。
モノラルからステレオにかけてのジャズと、ロックを中心にお聴きになるということで、まずはよくご存じのマイルス・デイヴィスの「Kind of Blue」。
ご愛用のスピーカーはモダンの代表格と言えるモデルであり、それとはまた違った聴き方をされたい、という目的にはかなり合ったとのこと、まずはお気に入り頂けました。



色々お話をしている中でエリック・クラプトンが出てきましたので、それなら定番LPがありますよ、ということで、次にかけたのは「Unplugged」。
これは新たに発売されたドイツ・プレスの高音質重量盤です(2枚組)。
先ほどのステレオ初期'60年代そこそこの録音と比べると、臨場感溢れるライヴ録音が快感のアルバムです。
ご自宅のシステムではこの録音は音が良いだけに少々神経質に聞こえることもあるとのこと、当店の試聴システムはアナログ・レコードに合わせた大らかなところがありますので、ここではそれがプラスに働いたようです。細部にあまり気を取られることなく、ライヴ・プレイを気持ちよく楽しめるとの感想を頂きました。

さらに、低域の深い支えなど安定感があるところは、どうもターンテーブルのClearaudio Innovation Compact に負うところが大きいように感じる、とのご指摘は、改めて私のほうが再認識した次第。TT3 リニアトラッキング・アームの調整が安定するまでは少々時間を要しましたが、確かにこのプレーヤーにしてからは下支えのしっかりしたプレイバックが得られているのは確かです。

このプレーヤーのもう一つの利点は、簡単にダブルアームへとシステムアップ出来るところ。
この方のようにジャズのモノラル名盤もかける機会の多い方は、サブアームにはモノラル専用カートリッジを着けて、更に楽しみの幅が拡がります。

お帰り際の、「居心地がいいものだから、つい長居してしまった」とのお言葉が、お世辞と分かっていてもとても嬉しい、春日和でした。
ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。
2017年03月04日
 
都内で開かれたレコードと録音技術に関する講演会に行ってきました。
予約して参加する、プライヴェートな催しです。

題して「こうして音は録音された」、お話して下さったのは元ソニーの技術広報室長で現在は芸大の非常勤講師を務める森芳久氏。
著作も多く、ソニー在籍中に書いた「カラヤンとデジタル」(写真)は評判を呼んで、退社後に芸大をはじめとするいくつかの大学で教鞭を執るきっかけともなりました。

長年の豊富な経験と実績に基づいたお話は湧き出る泉が如く、とても2時間の持ち時間では語り尽くせません。それも当然、大学の講座の1年分あるわけですから。こんな講義があったら毎回嬉々として聴講していたのになあ。

氏の経歴はレコードとオーディオの分野で多岐にわたり、かつとてもユニーク。
元々無線少年であったこともあって大学では工学を学び、その間にクラシック音楽に目覚めます。大のファンとなった当時のウィーンのソプラノ、リタ・シュトライヒに憧れて、卒業後は彼女の所属レーベル、日本グラモフォンに就職。
そこでレコードの音質改善に取り組むうち、カートリッジメーカーの品川無線(グレース)に誘われ転職。
カートリッジの開発に従事するうち、NHKの研究所にも出入りするようになり、そこで知り合った中島平太郎氏に誘われて、今度はSONYへ。

SONYでも当初カートリッジの開発を行いますが、時代はデジタルの夜明けに入り、単なる技術屋に留まらぬ広い見識を買われて、技術広報の責任者となります。
今度は一転してデジタルを広める先鋒として活躍しますが、その際デジタルのことを解り易くまとめたのが「カラヤンとデジタル」でした。

お話の内容は豊富過ぎてここにはとても書き切れませんので、ご興味のある方はこの本をお読み頂くとして、実技(!?)の方もたっぷり楽しませて頂きました。
持参されたのはエジソンの ろう管式蓄音機(第2号機)とポータブル蓄音機。
とくに、まずそうはお目にかかる機会のない ろう管蓄音機は、100年以上前とはとても思えない状態で、今なお精密な動作をすることに驚き、実際に音が出ると、その音が予想していたよりずっと音量があり、クリアなことに2度ビックリ。

あっという間に2時間を超えてしまっていましたが、まだやっとSPから33回転のLPとなったところまで。これからいよいよステレオLPの出現となるところで次回(あればのお話)を待て、となってしまいました。
森さん、是非「続・こうして音は録音された」をお願いします。
2017年02月22日
 
昨日21日、ポーランド生まれの米国の指揮者、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキーさんが亡くなりました。享年93歳。
最期まで現役を貫き、敢えて円熟を排しているとも感じられるほど、年齢をものともせず気力充実した演奏を聴かせてくれました。
亡くなったのも住まいのあるミネアポリスということで、やはり何といってもミネアポリス管~ミネソタ管を20年近くにわたって手塩にかけて育て、共に歩んできた功績は忘れることが出来ません。
'90年代以降は頻繁に我が国へも訪れ、読売日本交響楽団とNHK交響楽団との共演で数多くの忘れえぬ演奏を披露、晩年は自ら最も愛着をもつというブルックナーの交響曲で孤高の名演を聴かせてくれました。
店主も、最後に読響との「伝説のブルックナー8番」を聴くことが出来たのは幸運、最高の想い出となりました。

ご冥福をお祈りします。
2017年02月15日
 
私どもで扱っているMHaudio を主宰する星野さんが長野からお出で下さいました。

MHaudio のWAON は高品位でデザイン性抜群のマイクロスピーカーですが、このほど新ヴァージョンを2種類ご紹介頂きました。
詳細はNEWS欄でお知らせします。

もうひとつ、帰りがけにちょっとだけ紹介頂いたのは、WAON スピーカー2個とそれに加えて同社のマイクロアンプなどを一緒に収納して持ち運べる、これまた大そうデザイン性に優れ、かつ上質な仕上げ(ハンドメイド)のバッグ。
まだ最終試作の段階だそうですが、大変魅力を感じました。近々ご紹介出来るはずです。
また、店主はこのバッグを見てすぐに、これでレコード・キャリーバッグが出来たらいいな、と感じたので是非検討して下さい、とお願いをしておきました。
これも勝手に今から楽しみにしているのですが..。
2017年02月04日
 


 
お客様から耳寄り(?)なお話を聞きました。

今話題の「ふるさと納税」で、真空管300B、しかもオーディオファイル垂涎の国産球 TA-300B(1ペア)を貰えるというのです。
ふるさと納税の「返礼品」にそんなすごいものを用意しているのは、鹿児島県の南さつま市。海産&農産物や肉,酒類などに交じって、ひとつ異質な「特産物」が確かに載っています。
真空管に縁のない若者が見たら、レトロな電球?と思うかもしれません。

TA-300B を製造する高槻電器工業は本社拠点は京都ですが、グループに鹿児島高槻電器工業があって、その所在地が南さつま市。ここでTA-300B はコツコツと手作りされているのだそうです。

じゃあ、いくら納税したら貰えるの? はい、34万円です(1,500 point)。
それでも同市の月間得点ランキングでは堂々の第3位にランクインだそう。贈答用のお茶や海苔のような桐箱に入って届きます。
すでに4ペア分の申し込みがあったとか。教えて下さったお客様も手に入れたそうですから、この中に入っているということでしょうか。

南さつま市にふるさと納税して、TA-300B をゲットしよう、って!?
2017年01月28日
 

 
今日は予報では天気が荒れるということでしたが、昼近くには日も差して穏やかな1日となりました。

今日お越しのお客様は、ご自身のレコードを持参してEAR の834P Deluxe フォノステージアンプの試聴に神奈川県からお出で下さいました。
でも入り口から入って来られたのを見ると、あれ?、レコードを抱えていない?
約1時間前から温めておいた機材を早速お聴き頂こうとすると、小型のショルダーバッグの中から取り出されたのは7インチEP盤!
なるほど、お持ち下さったのはいずれもヨーロッパ盤のEP、それも'50年代のジャズのモノラル盤ばかり。しかもどれも当時のEP盤としてはスリーヴも含めてすごくきれいなのには感心しました。
ヨーロッパのジャズEPは、お客様の現在のマイブームとのこと。聴かせて頂いたのはスウェーデン盤2枚と、ドイツ盤1枚。みな魅力的でしたが、店主はとくにドイツ盤と2枚目のスウェーデン盤のヴォーカルに惹かれました。
何だか「ヨーロッパEP盤ジャズ特集レコードコンサート」を楽しませてもらっているようです。

そんなうちに、お客様もまずはお気に入り頂けたようで、834P Deluxe、ご用命を頂きました。ありがとうございます。
300B 真空管パワーアンプにプリを介さず直接繋いでお使いの予定とのこと。そこで834P に着いているヴォリュームが活きてきます。
お聴きになるのはほとんどが'50年代のジャズのモノラル盤で、組み合わせるカートリッジはDENON DL102。徹底しています。
将来、アナログ・プレーヤー新調のご予定もおありとのこと。
 
本日はありがとうございました。
2017年01月15日
 


ここのところ寒波の襲来で東京は一段と冷えています。
場合によっては雪かとも言われていたものの、天気はそれほど崩れることはありませんでしたが。

そんな日でもわざわざ訪れて下さるお客様があることは、本当に有り難いことです。
今日は都内からお二組(お一人と、ご夫婦)のお越しがありました。
都内の葛飾区と文京区からお出でです。

文京からのご夫婦は米国の大型スピーカーを豪快に荒らしておられ、今日はずっとこじんまりした私どもの英国スペンドール SP1/2R2 スピーカーをお聴き頂きました。
ご存知、有名なデモ・レコード、スウェーデンPROPRIUSの「カンターテ・ドミノ」をかけたプレーヤー、Clearaudhio のInnovation Compact+TT3 にもご興味がおありとのこと。

葛飾からのお客様はすでに何回もお越しのお得意様で、今日はOrtofon から新しく出たSPU#1 を試聴されました。
丸針のSタイプと楕円針のEタイプ、両方を聴き較べたのですが、どちらもそれなりに良さがあり、ちょっと困ったな、ということになったものの、現在お手元にあるSPU GE がどちらかというとEタイプに近いと思えたことから、結局、よりオリジナルに近いSPU #1S のご用命を頂きました。誠にありがとうございます。

まだまだ寒さのピークはこれからとのこと、皆様くれぐれもお風邪など召されぬよう、お気を付け下さい。
2016年12月25日
 

 
SOULNOTE ソウルノートは、電子・電気機器企画,製造を専門とする技術集団(株)CSR のオーディオ・ブランドで、今年で創立10周年を迎えます。
今回はピッカピカの新製品、フォノステージアンプのE-1 を携えて、営業と設計ご担当の方々、3人がお越し下さいました。
ただでさえ手狭な店内は、このところ機器やレコードのお引き取りが重なり、まだ整理がついていない状態のなかだったこともあって、ゆっくり座って頂くことも出来ず、終始立ち話で失礼致しました。

設計ご担当から開発にまつわる詳しい話を伺い、早速フォノイコ E-1 の結線をして試聴に臨みます。レコードはいつも聴き慣れたウルフ・ヘルシャー独奏によるコルンゴールドのヴァイオリン協奏曲(独EMI)。
最初の音が出た瞬間から、「これはいいぞっ!」の気配。10秒ほど聴けば、それに間違いないことを確信出来ました。
価格はジャスト20万円ですが、音と内容はビックリ、遥かにその範疇を超えています。

このE-1 はソウルノート・ブランドの10周年記念シリーズの一環ですが、その入れ込みようは半端じゃありません。
現在そのラインナップはインテグレーテッドアンプ2機種,CDプレーヤーとこのフォノステージですが、セパレートアンプの予定もあるとか。
いずれも10~20万円(最も高いのがE-1 です)とエントリークラスの価格帯ながら、2倍以上の価格帯の製品と聴き比べてもそれらを凌駕するでしょう。
まさに下克上モデル群です。
順次ご紹介していきますし、近々試聴会も企画していますので、乞うご期待!
2016年12月15日
 
お二人のお客様による恒例のカートリッジ会、12回目となりました。
若手メンバーのほうのお仕事がいよいよ忙しくなり、3か月ぶり、今年最後ということで忘年会を兼ねての開催です(と言っても店内ですのでお酒が出るわけではありませんが)。
 

 
今回ヴェテランメンバーの自宅で発掘(?!)された米ADCのTRX-1 と、以前から会の定番となっているTRX-2 (どちらもIM型)との聴き較べから始まりました。
盤は指揮者ズービン・メータ若かりし絶頂期に録られたR=コルサコフの「シェエラザード」。DECCAのオーディオファイル録音です。
米国ブランドながらTRXシリーズは日本製で、両者はちょっと見は同じに見えますが、よく見るとTRX-2 のボディは淡い金色をしています。
最大の違いはカンチレバーの材質、TRX-1 のチタン(テーパード)に対してTRX-2 はサファイア製。針先チップは同じです。
面白いことにまずすぐに気が付いたことは、TRX-2 のほうが盤面の微小な針音、ピチパチ音がよく聴こえること。聴き較べの結論としては、TRX-2 のほうは前に出てくる音、とのことでした。
 
次はENTREの初期モデル EC-1、MC型です。
試聴盤は米RCAの名盤、ピエール・モントゥーがボストン響を振ったチャイコフスキーの交響曲第5番のオリジナル盤。老大家の年齢を感じさせぬ活気に溢れた演奏を十全に再現していました。
 
ここで一休み、おやつタイム。
店主の大好物、モンブラン・ケーキをほお張りました。地元西荻窪のケーキ店、こけし屋の昔ながらの洋菓子です。


 
お次は毎回よく登場する超定番、DENON DL-103。但し何十年も前に購入したものです。
盤はこれも米RCAのオリジナル盤、シャルル・ミュンシュ指揮、メンデルスゾーンの「スコットランド」交響曲。
いつ聴いても安心、のカートリッジですね。
 
最後はaudio-technicaのAT-32。明るく快活な性格を活かして、盤はTBMの「菅野邦彦/LOVE IS A MANY SPLENDOERD THING」。
 
そうそう、今まで各カートリッジをとっかえひっかえ装着して演奏してくれていたプレーヤーYAMAHA GT-2000 に替わり、前回からTecnnics SL1200 Mk6 が任にあたっています。
2016年11月08日
 

 
先月末になりますが、JAS(日本オーディオ協会)主催の「音のサロン&カンファレンス」という催しに行ってきました。
 
レコード針のJICO さんから出展の知らせが届いて、この展示会については初めて知りました。
今回限定的に秋葉原駅近くの富士ソフト・アキハバラプラザ(なかなかきれいで立派なビルです)で開催され、40社強の各部屋での展示・試聴と、いくつものカンファレンス(ここでは講演・セミナーといった意味)から成っています。
テーマのはっきりした講演会が並んでいるのが特徴ですが、ブースを使ったメーカー展示は2フロアー分を使い、規模としては少し前のアナログオーディオフェアくらいでしょうか。
 
それにしてもこのところ、比較的こじんまりとしたオーディオ展示会が林立して、それぞれ皆少しずつ違ったメーカーが出るので面白いのは確かですが、週末に何回も同じような所へ足を運ばなくてはならず、少々億劫なのも確か。
それぞれの主催者がそれぞれの立場で開催しているのは分かるのですが、足を運ぶ客にとってはもう少し整理してまとめてくれないかな、という気持ちも。
いくつもの展示会に参加しているメーカーも少なくありませんので、それもまた大変ではと思います。

まあそれはさておき、今回は午前中に済ませなくてはならないこともあり、いつものようにまんべんなく見聴きして周るつもりはなくて、案内を頂いたJICO のブースを目当てに訪れました。
皆さんもよくご存じのJICO(日本精機宝石工業)は本社・工場は兵庫県にあり(営業基盤は大阪)、いつもはメールや電話でのやり取りでしたので、今回直接お話が出来るというのと、案内状に書かれていた新開発のMCカートリッジが初お目見えということで期待してブースに伺いました。

デモ担当は開発にあたった同社の前田氏。まず最近発売されたneo SAS 針から。
長らくJICO 独自開発の高性能針として販売されてきたSAS(Super Analogue Stylus)はカンチレバーの材質にボロンが使われていたため、昨今のボロン調達難により生産終了となっていました。
今年7月にボロンに代わりサファイアをカンチレバーに採用した待望の新製品、neo SAS が発売されたのはまだ記憶に新しいところですが、今回、そのヴァリエーションとして上級仕様となるルビー・カンチレバー・タイプも紹介されました。

但しあくまで交換針ですから、SHURE V15Ⅲ にオリジナル針,SASサファイア針,SASルビー針を付け替えながら、針による音質の差を聴くというJICO ならではの試聴方法です。かけたレコードはジュリー・ロンドンのヴォーカル。
さてその音は、予想以上に違いが感じられ、オリジナル針は音楽の大事な部分を抽出したような落ち着いた音質で、これはこれで流石の定評ある再生。
それに対してサファイアとルビーはだいぶ違って、ずっと音がクリアになり音数が増します。
基本的にサファイアとルビーは同じ傾向にありながらも、それぞれ若干異なり、サファイアが少し華やかな美音、ルビーは新鮮ながらそれよりは少し落ち着いて、しっとり感も出る、といった印象でした。

交換針といっても、針先チップはもちろん、カンチレバーとそれを支えるダンパー、それにMM型発電の要であるマグネットまでを含む振動系が搭載されているわけですから、これを替えるということは発電系の半分ほどを替えることになり、そのつくりが違うなら音が違って当然なのです。
とくにSAS は完全にJICO 独自の構成で、オリジナル針を復刻するという意図は元々ありません。オリジナルに沿った交換針はスタンダード・タイプとして別に用意されています。
SAS 針は以下の専用共通仕様をもちます:

1) S.A.S. チップ
2) サファイア(ルビー)・カンチレバー
3) One Point Tension Wire System
4) 特殊形状マグネット

つまり SHURE V15Ⅲ の30年以上前の針を、最新の技術で作られた高性能針に交換することで、現代のV15Ⅲへとアップデート出来るわけです。
個人的には少なくともこの時のレコードを聴いた限りでは、近々発売されるルビーカンチレバー・タイプかな?



次に聴かせて頂いたのは、現在鋭意製作中の新MCカートリッジ「白らべ」。
今までも普及価格帯のMMカートリッジは販売されていましたが、独自開発の本格派MC型としては初の製品となります。
黒子に徹してきた同社が、長年の実績を背景に、今の時期だからこそ発表を決めた渾身の一品です。
これについては別の欄(What's NEW? ニュース)で詳しくお伝えしますが、
http://www.maestrogarage.com/news-detail/365
試作とはいえ充実した音質に感心、また予価ではあるものの、88,000円という控えめな価格にも感動。
100個のみの限定生産で、何とか年末までには生産を上げたいとのことです。乞うご期待。

なお、最初に載せたJICO 文字の浮き出たパネルは、同社の数え切れないほどの交換針ラインナップを、実際の製品をひとつひとつ貼り込んでディスプレイしたもので、色とりどりな交換針のカラーがなかなかきれいなアートパネルとなっていました。
これは社長の仲川氏自身が業務終了後コツコツ仕上げた苦心の作、とのことです。
ゆくゆくは販売されるとか(!)
2016年10月16日
 

 
御茶ノ水で開催された「東京オーディオベース2016」に行ってきました。
 
今回は俄然アクセスが良くなり、アナログオーディオフェアや真空管オーディオフェアでお馴染みの損保会館斜め向かいにあるシティーホテルでの開催ですので、ずっと気軽に向かうことが出来ました。
ただ、初めての会場なので、期待すると同時に不安もないとは言えません。
ホテルは事前に地図で確認しておいたのですぐに分かりました。
ただ入り口は、実は帰り際に初めて分かったのですが、ホテル玄関から入るのではなく、二階へ直通の外階段があり、これを上がって入るとエントランスからスムーズに入ることが出来るのでした。
ホテル正面玄関から入るものと思い込んでいた私は(10mほど前を歩いていた人も同じでしたが)、何の案内も無いため困惑、少しウロウロしてからとにかく階段を上って何とかエントランスを見つけることが出来ました。
始めから苦言で恐縮ですが、確かに大きめののぼりがはためいてはいましたが、外階段入り口にもう少し分かり易いサインがあるといいと感じました。
 
内装はきれいな建物で、少々迷路のような構造ではあるものの、各室が完全に独立していてドアも遮音の良さそうな重たいもので、試聴に集中出来る環境です。
各メーカーの出展スペースはこの階(3階)に集約されており、まずは楽しみにしていたアポロン・インターナショナルのブースへ。
ここで中心となるのはフランスのメーカーYBAで、専用ブースでまとめて聴くことの出来る機会は久しぶりではないでしょうか。
アンプ類やCDプレーヤーはYBA、スピーカーはDYNAUDIOとYG Acoustics、アナログ・プレーヤーはドイツAMAZONのAMAZON 2 、そして、カートリッジはZYXの新製品Ultimate 100 が初お目見えです。
デモを行うのは、大の音楽ファンである営業担当の中村氏です。

CDでは、YBAの独自技術であるブルーLEDによる「パラドックス方式」を採用したCDプレーヤーSignature CD を使ってその方式の優位性を実際に確かめるべく、CDドライブ内にあるブルーLEDを黒いシールで覆って無効とし従来式のレーザー読み取りを行った時と、ブルーLEDを活かしてパラドックス方式で読み取りを行った時とで音の聴き比べを敢行。分かり易い女性ヴォーカルで聴き比べましたが、意外にはっきりと差が出て、パラドックス方式の有意差が認められました。
今までこの方式を搭載していたのはトップ機のSignature CD でしたが、今回新たに発売となったGenasis CD4 への採用で一気に身近になりました。CDプレーヤー自体、特別に高価なものは別として、なかなかその気にさせる製品が少ないなか、これはひとつ魅力的な新製品であるのは確かです。


YBA Genesis CD4
 
レコードでの試聴では、まずマイルス・デイヴィスの名盤「Somethin' Else」。トランペットの息遣いがいつにも増して生々しく聴こえたのは、新しくカーボン・カンチレバーを備えたZYX Ultimate 100 によるところが大でしょう。そうそう、それと、フォノイコはYBAの新製品、バッテリー電源をもつPH1 で、S/Nの良さはこれに負うところも大きかったはずです。
他にもオランダ(だったかな?)のプライヴェート・レーベルの女性ヴォーカルと、ちょっと珍しいスイスのチェロ奏者、アンリ・オネゲル(あのアンセルメの指揮した時代のスイス・ロマンド管主席)によるバッハの無伴奏チェロ・ソナタが印象的でした。
 
次は、これも楽しみにしていたAUDIO DESIGN
気持ちの良いほどにストレートな社名のこの工房メーカーは、設計を行う大藤 武氏がほぼ一人で運営しています。
今年、新しく発売となったプリアンプ、DCP-240 とパワーアンプは代表的モデルのひとつ、DCPW-200。スピーカーはいつもの背の高いDYNAUDIO Confidence C4 です。
PCによるハイレゾ音源で聴くストラヴィンスキー「春の祭典」ではパワーアンプの3,000 以上というダンピングファクターが奏功してでしょう、崩れることを知らない大太鼓の一撃は、爽快の一言。
もうひとつ、DECCA録音の、ラドゥ・ルプー(ピアノ)&プレヴィン指揮するロンドン響によるグリーグのピアノ協奏曲では、オリジナルマスターテープを聴くようなダイナミックレンジをもって当時の名録音が再現されました。私も昔から愛聴してきた名盤ですが、日本ビクターによる新しいマスタリングはレコードで聴くのとはまた違った魅力を引き出しているようです。
いずれも半導体アンプのメリットを最大限生かしたAUDIO DESIGNならではのサウンドには、全くブレが無いのが確認出来ました。
 

AUDIO DESIGN DCP-240
 
TRIODEはつい先日のインターナショナルオーディオショウでも聴きましたが、分かり易い山崎氏のデモで、大きな部屋はここでも大盛況。
新製品の大物、SPENDOR SP200 は、他ではなかなか聴くことの出来ない新しいブリティッシュサウンドを聞かせてくれました。
でも一番記憶に残ったのは山崎氏の真紅のジャケットかなあ。
 

SPENDOR SP200
  
DYNAUDIO JAPAN のブースではちょうどオーディオライターの和田博巳氏によるデモが行われており、新しいContour (コンター)シリーズが初お目見えとなりました。
いつもながらスマートで洗練されたトールボーイのContour 30 で、70歳超での最新アルバムという、ジェフ・ベックのプレイがフルヴォリュームでかかりましたが、年を感じさせない切れの良く過激なギターには驚きました。さすが、今でもバンドで弾く和田氏はソース選びが一味違います。
アメリカのスピーカーのように熱くなり過ぎはせず、でも音楽を十二分に楽しく聴かせてくれるContour 30 はホント、頼りになるヤツです。
 

DYNAUDIO Contour 30 (右)
  
ここまで来て腕時計を見ると、もう終了まであまり時間がありません。ブース数がそう多くはないので余裕で回れるかなと考え、少々各部屋で時間を取り過ぎてしまったようです。
最後にチーム「フォース」ブース(取り扱いブランドは、SAEC, IKEDA, MUTECH, tangent, ProAc, ROTEL など)へお邪魔しました。
小気味良い音でレコードをかけているのは、ポーカロラインの村山氏。このオーディオショウの運営室長でもあります。
アナログ・プレーヤーがVOXOA T50 、インテグレーテッドアンプがROTEL RA-1520(失礼、多分)、スピーカーがtangent SPECTRUM X5 。3点一式の総額が30万円を切るシステムですが、いやいやどうして、たっぷりした低音こそ不足はするものの、くっきりと音楽を描写して積極的に聴かせる力はスピーカ―の大きさ,価格を大きく超えてなかなか魅力あるお買い得システムと感じました。
 

tangent SPECTRUM X5
 
最後帰りがけには、1階物販コーナーに出展していたCDレーベル、FONTEC フォンテック(この会社も当店と同じく荻窪にあります)のところでつい大好きなジャン・フルネのCDを9枚も買い込んでしまいました。これも大きな収穫!
 
2016年10月02日

 
今年も恒例の東京インターナショナルオーディオショウに行ってきました。
週末の土日は極力開店したいので、初日の平日・金曜日に行きましたが、今年は何となく例年に比べて人の入りが多いように感じられました。 
印象に残ったところをかいつまんでご報告。

いつもと同じく一番上(7階は、はしょって)の階から回るのですが、ほぼ毎年ブースの位置は決まっていて、エレベーターを降りたすぐ脇はフューレンコーディネートです。
去年も最初に聴いたスピーカーがピエガの超大型スピーカーMaster Line Source で、今までのスリムで清楚なイメージとかけ離れたその規模に驚きましたが、今年最初に迎えてくれたのはその弟分、Master Line Source 2 でした。
 

 
これは実験的とも言えるフラグシップ機をずっと現実的な大きさ(と言っても高さは176cm)にまとめたもの。これなら日本でも大きめのリヴィングなら十分使いこなせるでしょう。
但し価格はペアで1千万円也と、少し(?!)高め。それでも上級機の半額以下になってはいます..。
音のほうは去年のMaster Line Source より親近感を持てるもので(去年は音が部屋の大きさに収まり切れなかった嫌いがありました)、凛として、かつ繊細極まるもの。中高域は2ウェイのリボン型で、しかもダイポール方式(音が前・後両方に放射)ですので、ちょうどエレクトロスタティック・スピーカーのような音感。少しひんやりした感触は、北欧の録音には特にマッチしそうです。



この隣にもう一組、やけにスリムで背の高いスピーカー・システムが並んでいました。オーストリアのブロッドマンの新しい上級機(実はこの上にもう少し大きなJB 205 があります)、JB 175。こちらはずっとスリム(幅23cm!)なのに高さはピエガとあまり変わらぬ162cm。大きな地震が来たら倒れないかなと心配なくらい。普通の人が見たら高級なつい立だと思でしょう。
ブロッドマンはかつて、あのピアノと同じベーゼンドルファー・ブランドで出ていた製品の流れを継ぐもの。ピアノ・ソロでデモが行われたのは確信犯的、恐らくピアノを鳴らしたらこの右に出るものは無いでしょう。十分な音量で鳴らした時のJB 175 は、まさに実物のピアノが目の前で実演されているかのような錯覚を覚えました。
こちらはウォルナット突板仕上げで予価710万円/ペア。

どちらも高価な分、趣味性も半端ではなく、正確なトランスデューサ―などは端から目指してはいません。それぞれのメーカーの特質を突出して表わした作品であることを実感しました。
ですからどちらも強烈なほどに主張が強く、高度に練り上げられた独自の持ち味こそが最大の魅力で、聴き手を選ぶものであるのは間違いありません。
が、使い手にピッタリ合えば、何物にも代えがたいものとなるのも確かです。
 

 
太陽インターナショナルのブースには、ステラから輸入を引き継いだドイツ、ブリンクマンのターンテーブルが展示されていました。
ブリンクマンには現在5つのモデルがあり(うち3つはベルトドライヴ)、以前輸入されていたOasis のひとつ下位に位置するBardo というスリムな機種がトップバッターに選ばれました。価格はOasis の約半額、816,000円。ブリンクマンお得意のダイレクトドライヴです。これはなかなか魅力的ではないでしょうか。
アームにはTonearm10.1 (385,000円)が用意されています。
 

 
1階降りて、まずお馴染みのトライオードのブースは満員!
同社真空管アンプの人気はいつもながらで、今回はそれに加えてトライオードが輸入する英国スペンドールに久々の新作、しかもフラグシップ機の登場とあっては当然でしょう。
その新作、SP200 は初めての大型フロアスタンディング・タイプ。でも大型フラグシップと言っても先のピエガやブロッドマンの後に見るとずっと身近で、ホッとしました。
音のほうもやはりどこかホッとする、いかにも管球アンプと組んだアナログ・レコード再生に似合う人肌のサウンド。当たり前ではありますが、当店で使っている同社のSP1/2R2 の延長上にあることが確認出来ました。
 

 
その並びのハイエンド(輸入代理店の名前です)のブースには、店主お気に入りのドイツ、ランシェ・オーディオのスピーカーがあります。
デモしているのはいつものNO.5.1。いつもながらイオントゥイーターは清々しくも楽しいサウンドで魅了します。
私どもで扱っておりますので、ブースで聴いてお気に召した方は、どうぞお問い合わせ下さい。
 


 
4階に降りて、ラックスマンからは新しい管球モデルが2機種登場。
インテグレーテッド・アンプのLX-380と、CDプレーヤーのD-380。このデザインは、昔からラックスを知る方にとっては「これぞ永遠のラックスマン・スタイル」というところでしょう。本当に魅力的な機器達です。
このブースも入り口から入ることさえ大変なくらい、いつもながら満員の盛況です。

さて、ガラス棟をひと回りした後は空中橋を渡ってD棟へ向かいます。
いつも大きく立派な部屋でデモしているのは、アクシス。
入り口を入ると、おや、どうやら特別ライヴ?なのか会場で歌うヴォーカルが聴こえてきます。



会場に入ってみると、音の主はシン・ゴジラのような大きなスピーカー、ウィルソン・オーディオのAlexandria XLF でした。
ソースの質が良いのはもちろんですが、まさにそこで歌手が歌っているような等身大の再現を、細部の表現も申し分なくプレイバックしてみせたのには、このスピーカーなら当然とは言うものの、改めて感心。
ウィルソン・オーディオは創業が'73年ですので、米ハイエンド・スピーカーの草分けとして本当に息の長いマニュファクチュアラーで、現在もなおデイヴィッド・ウィルソンが率いて世界トップクラスの製品を生み出し続けているのには感服します。
店主もかねてから最も信頼を置くひとつです。

いつも最後の時間はヨシノトレーディングのブースで過ごします。
今回からデモを担当するのはヴェテラン営業マン、畑山氏です。
 

 
丹精込めて設計した今のモデルがマイベストだ、と言わんばかりに、めったに新製品など出すことのない、いや、出す必要もないEARですが、久々にフルモデルチェンジのCDプレーヤーが登場。デジタル機器に関しては、ほんの少しばかり早目のリニューアルが必要ということでしょう。
このAcute Classic は、ショウに先駆けて既に当店で試聴会を開催済みで、お聴きになった方々に大変好評でしたが、ほとんどの方にとっては初お目見えとなります。
今回はこのCDプレーヤーが主役ですので、いつもはアナログ・レコードしかかけない(というより、CDプレーヤーの展示が無い)、ヨシノトレーディングとしては異例の(?)CDによるデモが中心となりました。
とにかく「音楽」を聴かせてくれるCDプレーヤーとしておススメなのはもちろん、DACとしても最高。詳細は製品ページをご覧下さい:
http://www.maestrogarage.com/product/2288
2016年09月19日
 

 
先月に続き、第11回「カートリッジ会」が行われました。

持参頂いた盤の中に名盤、貴重なアンドレ・クリュイタンスのベートーヴェン「田園」初期赤盤があったので、これを中心にいくつかのカートリッジを聴いていこうということになりました。

手始めに、メンバーのお一人が最近入手した懐かしいGOLDBUGの初期製品、Clement で再生。
その後に、GOLDBUGの製作者に関連があるというDENONのDL103SL を比較試聴。両者の差異について話に花が咲きました。

次に、以前印象に残ったMICROの初期カートリッジ、M-2000/S で聴いてみたいというリクエストに応じて試聴。大きく武骨な外観とは裏腹に、今回もバランスの取れたMMらしい円満な音を聴かせてくれました。
それなら少しマイクロ特集をやりましょう、ということになり、その後マイクロの、
LM10 (MM)
VF-3200/e (MM)
LC-40 (MC)
とたて続けに試聴。中でも比較的廉価なVF型(MI型)としては立派な再生で聴かせたVF-3200/e に賞賛が送られていました。
 

(写真はAUDIO HERITAGE から拝借)

最後にもう一枚、ドイツ・グラモフォンの初期盤で、オイゲン・ヨッフムのブルックナー/交響曲第5番~第2楽章をじっくりと、毎回人気のADC TRX-2 (MM)とTechnics AT34(MC)で聴いて締めくくりました。
 
今回もありがとうございました。
2016年08月29日
 
 
 
トーレンスの往年の名機のひとつ、TD521 を神奈川県のお客様に納品させて頂きました。
大変状態の良い品物で、確認にお越しになったお客様はひと目でお気に入り下さり、購入を決定されました。

アームにはSMEの現行ロングアーム、M2-12 を載せるためにアームボードを製作。
現在、オーナーのもう1台のプレーヤー、ノッティンガムのスペースデッキとともに活躍しています。

ご用命ありがとうございました。
2016年08月13日
 

 
話題の「シン・ゴジラ」、観て参りました。

子供の頃から繰り返し観て、伊副部音楽のオスティナートのように刷り込まれてきた第1作の白黒「ゴジラ」が唯一無二の「真・ゴジラ」だと信じてやまない店主ですが、ここ2作ほどの米国ハリウッド製ゴジラの余りの失態に、やはりゴジラ映画は日本で作らないとダメなんだ、との確信をもつようになっていました。
かと言って、ハリウッドへ行く前の国産ゴジラも完全に行き詰まりを見せていましたので、今更また日本で新しいのを作ってもどうなのかなあ、などという思いがあって、新しいゴジラ上映開始のニュースにもそれほど惹かれず、そのうち行ってみようか、程度でした。

それが、少し前に相次いでお客様や友人など何人もから「すごく良かった」という感想を聞いたことがきっかけになって、家族で観に行くことにしました。
どうせなら一番大きい画面がいいと、まずIMAXを狙ったのですが、これは気がついた時には既に遅く、予約でチケット完売。それならと新しい新宿・歌舞伎町TOHOシネマズ新宿の一番大きな上映室(スクリーン9、約500席/8×19.2m画面)に予約。

結果、ゴジラにはちょっとうるさい店主も90%納得(これはほぼ満点に近いという数値)、予想を超えて大満足でした。
実は並んで観ていたカミさんのほうがいつも辛口で、まず何を見ても「まあまあ、だね」というのが口癖ですが、今回は一言「面白かったね」。これはかなり高評価と受け取っていいと思います。因みに、もちろん息子は大喜び。

何が良かったって、やはり初心に帰った第1作ヘのリスペクト。
それと何といっても徹底的にリアリティを追求した映像。しかもこれも、第1作のミニチュア模型による細部の拘りがちゃんと継承されています。自衛隊の全面協力もお決まりかつ必須。
そして個人的に嬉しかったのは、オリジナルの伊副部音楽ヘのリスペクト。部分的には本当のオリジナル・サウンドトラック(モノラル)を使用してまでの拘りようには頭が下がりました。

ストーリーについてはネタばれはしたくないので細かくは申しませんが、とにかくリアルに、「今、ゴジラが現れたら日本はどうするだろう」という設定で徹底的にドキュメントドラマ仕立てで余計なエンターテイメントを排したことが功を奏していると思います。
強いて言うと、昔の映画のように強烈な個性でゴジラに負けないほどのインパクトを与える俳優(例えばオリジナル・ゴジラの芹沢博士役、平田明彦)がいないのは歯がゆいところですが、致し方の無いところでしょう。

総監督の庵野秀明は「エヴァンゲリオン」、監督の樋口真嗣は「進撃の巨人」の監督とのことで、アニメーション界の逸材たちがフルCGと割り切って全力で取り組んだことがよかったのでしょう。
店主には今まで縁のない新世代のクリエーター達ですが、後で庵野は「風の谷のナウシカ」で巨神兵のシークエンスを担当したと聞き、なるほどと納得。

興味のある方、まだ観に行かれていないなら、映画館へGO!
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