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商品詳細

DS Audio/DS002 Cartridge 光電カートリッジ[DS002 Cartridge]

販売価格: 200,000円 (税別)
数量:

DS Audio は光電型フォノカートリッジとその専用フォノステージアンプを専門に製造するオーディオメーカー(神奈川県相模原市)。

かつてアナログ・レコード最盛期にわが国で開発、1960年代後半から70年代初頭までの短期間ではあったものの実用化、販売された独自方式のフォノカートリッジがありました。
光電型と呼ばれるその方式は、主流であるMMやMCなどの電磁変換タイプとは全く異なり、光源と受光素子、それにその間に置かれる遮光シャッター(スリット)で構成されます。
針先が音溝の振幅を拾うとカンチレバーに付いたスリットシャッターが振動して光量が変化、それを電気信号の変化に変換して出力するというものです。

当時製造していたのは東芝(オーレックス),トリオ,シャープ(オプトニカ)で、光源にはいずれも小型ランプ、受光素子にはそれぞれフォトトランジスタ,フォトダイオード,太陽電池を使用していました。

ここでまず問題となったのが光源。電球はどうしても熱を帯び、長時間使っているとその熱が周辺の部材(とくにゴムを使ったダンパーなど)に変形や劣化の影響を及ぼします。
また、電球は光の波長や光量でも高精度の変換には向きませんでした。
これらが災いしていずれの製品も短命に終わったのでした。
当時の開発にかける情熱は並々ならぬものがあり、実用化,量産化しただけでも大変な成果と言えるものでしたが、如何せん、まだ理論に技術が追いついておらず、早過ぎたカートリッジというべきでしょう。

それから40年以上経ち忘れ去られたかに見えた光電カートリッジでしたが、数年前、突如、全く新しいDS Audio というメーカーから光カートリッジとして現代に蘇ったのです。

DS Audio を立ち上げたのは当時まだ30前だった若きヒーロー、青柳哲秋氏。
もう完全にCD世代ですが、ある機会に聴いたアナログ・レコードに感激、しかもその時使っていたのが何と大変珍しいのですが、かつての東芝の光電カートリッジだったのです。
ここで、へぇー、レコードもいい音しますね、で終わらないところが青柳さん。彼の父親が経営する(株)デジタルストリーム(1988年創業)は高い光学技術を誇る開発専門会社であったため、そこで培った技術を、新たに光電カートリッジを開発するために利用出来るのではないかと直感したのでした。

ここにもう一人のキーパーソン、青柳氏に光電カートリッジを聴く機会をつくった元東芝のエンジニアが合流、かつて一度理論としては完成をみたこの方式を伝える得難い味方が加わり、新旧二人の情熱が、再び世界唯一の光電型カートリッジ実現に向けた開発をスタートさせました。
青柳氏,かつての光電カートリッジ技術を伝えるエンジニア、そして世界屈指の光学技術をもつデジタルストーリーム社、この奇跡的ともいえる出会いがあって初めて実現したプロジェクトだったのです。

さて、かつてあれだけ苦労したこの方式が今回実現したのには大きな理由があります。最大のネックであった光源の電球を、現代の代表的技術であるLEDに置き換えることが出来たからです。
LEDは豆電球に比べて光量が大きくしかも小型で省電力、そしてはるかに発熱が少ない。つまり、かつての問題点をことごとくクリアしてくれたのです。まずこれがあったからこそ実現に向けて大きく扉が開いたと言ってよいでしょう。

また、電球の光は全ての波長を含む白色光でしたが、LEDは赤,緑,青など光の色があることからも分かるように、光の波長を選択することが出来ます。
受光素子であるフォトダイオードやフォトトランジスタは波長感度に特性をもっており(感度の良い波長がある)、それに合った波長のLEDを使うことで効率良い、すなわちS/Nの良い発電が可能となりました。

でもこれだけ苦労して開発しても、MMやMCの電磁誘導型より性能が劣っていたり、音が悪かったら、そもそも意味がありませんね。
次に光電型の優位性を挙げてみましょう。

1.原理的に発電の周波数特性がフラット

MMやMCなどの電磁誘導タイプはその発電の特性が「速度比例型」です。
電磁誘導の原理(「ファラデーの電磁誘導の法則」)による発電では、出力電圧が磁束の変化の速さに比例する、ということで、物理の得意な方は次の式を見た方が早いでしょう;

V = - N × (ΔΦ / Δ t)

V: 起電力 N: コイル巻き数 ΔΦ: 磁束の変化 Δ t: 時間の変化

単位時間(Δ t)の中で磁束の変化(ΔΦ)が大きいほど、すなわち磁束変化の速度が大きいほど、起電力Vが比例して大きくなることが分かります。

これはレコードの再生で考えると、高い周波数(磁束変化が速い)ほど出力が大きく、低い周波数(磁束変化がゆっくり)は出力が低いということになります。

これに対して光電カートリッジは「振幅比例型」と呼ばれ、電磁誘導ではなく光量の大きさに比例して発電しますので、出力電圧は周波数に関係なく一定です(下図参照)。
原理的に1Hz からフラットに再生出来る光電カートリッジは、従来に無い際立った低域再現性が得られます。


以上のような特性をもつため、電磁誘導型はフラットな周波数特性を得るために低域を持ち上げ高域を下げるイコライジングをかけてやる必要があります。
この場合の低域と高域では約40dB と100倍程の電圧差が生じます。
一方、光電カートリッジは元々フラットな特性なので、遥かに軽いイコライジングで済みます(レコードにカッティングされる溝の幅は周波数によって異なっているので、それに対するイコライジングが必要となる)。
この場合、低域と高域の電圧差は約10dB、約3倍ほどと圧倒的に少なくなっています(下図参照)。
大きな補正をすることなく素直な増幅が出来るために、音も高い鮮度を保つことが出来るのです。


2.磁気抵抗の発生が無い

従来の電磁誘導型では、発電の際に起電力を打ち消す方向の磁束が発生してしまいます(「レンツの法則」、下図参照)。すなわちレコード再生時にレコードに刻まれた溝の動きとは逆方向の力がマグネット(もしくはコイル)に発生しているということです。
磁気回路が存在しない光電カートリッジは、こうした従来のカートリッジでは不可避であった磁気抵抗力からもフリー、より忠実な再生が可能なのです。


3.振動系への加重付加が極めて軽い

MMは言うに及ばず、MC型でもワイヤーを巻いたコイルは小さいながらもそこそこの重量があり、しかもコイルから繋がるワイヤーは針先の振動を伝えるカンチレバーに対して負荷となります。

光電カートリッジではカンチレバーに載るものは厚さ50ミクロンの微細なシャッター板のみ。振動系への付加重量が極めて軽いので、より微細な振動までピックアップし、精度の高い再生が可能となります。
こんなところも光電型のメリットのひとつです。


さて、優れたこの方式の説明に多くを割いてしまいましたが、今回の新製品、DS002 についてご紹介しましょう。
これは大きな話題となったDS Audio の最初の製品、DS001 の後継機にあたります。
価格を念頭に置かず、考え得るすべての技術,最高の素材をフルに投入して開発された、いわばF1カーがDS Master 1。DS002 はこの成果をいち早く取り入れて、新たな改良を存分に盛り込んだ新製品となっています。

  • 新設計の振動系に一新
    最上機DS Master 1 で初めて導入された新しい振動系を早くも搭載。
    カンチレバーの後端をワイヤーで支えるワイヤーサスペンション方式により、支点がより明確化し、安定したトレーシングとチャンネル・セパレーションの向上が図られました。

    さらに、カンチレバー上のスリットシャッターの固定位置を針先近くに配置することで、よりダイレクトで鮮度の高いピックアップが可能となりました。

  • シバタ針とアルミカンチレバーを採用
    上級機DS-W1 と同じく、シバタ針とアルミカンチレバーを採用。
    また、表示用LED窓(発電用LEDとは別)には山梨県産の青色水晶を手加工して使用しています。

*光電カートリッジの注意点

  • 光電カートリッジはMMやMCのような電磁誘導型カートリッジとは発電方法が異なりますので、従来のフォノイコライザーアンプに繋ぐことは出来ません。必ずDS Audio カートリッジ専用のイコライザーアンプと組み合わせて使う必要があります。

    専用フォノイコライザーでは同社製のもの以外にも、先日、Soulnote ブランドからもDS Audio 光電カートリッジに対応したイコライザーアンプ部を搭載したフォノステージアンプが発表されました。

  • DS Audio の光電カートリッジは4つある出力端子のうち、左右2つのグランド側(-側、緑と青)端子を使ってその間に電圧をかけて電源を供給しています。
    従って、左右両チャンネルのグランドがひとつにまとめられて共通となっているプレーヤー(アーム)では使うことが出来ません。
商品詳細
発電方式:光電型
出力:500mV 以上(イコライザーアンプ出力)
チャンネルセパレーション:25db 以上 (1kHz)
適正針圧:1.6〜1.8g(適正 1.7g)
スタイラス形状:シバタ針(曲率0.03×0.003mm)
カンチレバー材質:アルミニウム
ボディ材質:アルミ削り出し
重量:8.1g