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商品詳細

Well Tempered Lab ウェル・テンパード/Simplex Mk2 アナログ・プレーヤー[Simplex Mk2]

販売価格はお問い合わせください。
標準小売価格: 320,000円


販売価格は、どうぞご相談下さい。

Simplex はその名の通り、元々単純化を形にしたようなウェルテンパード・プレーヤーの中でも最もベーシックなモデル。極限までシンプル化を図ったミニマリストです。そのためより一層同社の目指すセオリーが透けて見えるようです。

明確な理論に基づいた独創のターンテーブル、Well Tempered ウェルテンパード。
この名称はバッハの有名な曲集、平均律クラヴィーア Das Wohltemperirte Clavier(独)つまりWell-tempered からきていると思われ、ブランドの創始者で設計者であるウィリアム・ファイアーバー氏の理念が表れていると言えます。


(L) William Bill Firebaugh (R) B&K Report, 1977

アメリカ人であるウィリアム・ビル・ファイアーバーは元々物理学者で、航空関係の研究に携わっていました。
1977年に、測定器で有名なデンマークのB&K社が米AESで「ターンテーブルの機械的共振がもたらす聴感上の影響」と題する当時画期的なレポートを発表しますが、そこでは、
「トーンアームは、実効質量を抑え、かつ機械的な不安定性からくる混変調歪みを防ぐためにQ=0.5以下となるよう機械的ダンピングが必要である。混変調歪みは人間の聴覚にとって大きく影響する」
とされました。
この結果に基づき多くの軽量トーンアームが開発されましたが、一方、ダンピングについてはほとんど顧みられることがありませんでした。なぜならアームの挙動に対して効果的なダンピングを施すことは容易ではなく、新しいトーンアーム設計のアプローチが必要だからです。

ファイアーバーが、ターンテーブルの機械的安定,トーンアームのダンピングのために採った手法はきわめて独創的なものでした。
誰もが目を留めるそのトーンアームは、回転軸ベアリングに何と本物のゴルフボールを使い、上から糸で吊ってシリコンオイルバスに浸したシンプルこの上ない構造で、従って通常のトーンアームには無くてはならない機械式ベアリングを一切持ちません。
ゴルフボールを使ったのにも明確な理由があって、飛距離を伸ばし正確に飛ぶ必要のあるゴルフボールは精度の高い真球に仕上げてあり、また表面を覆うディンプルはオイルとの間に適度な粘性を生むので、これほど理想的なパーツは無い、というわけです。
そしてもちろん、入手がし易く従ってコストが安い。
比較的高い粘度のダンピングオイルと重力を利用したこの構造は、恐ろしいほど単純でありながらトーンアームの機械的安定性と効果的なダンピングを高い次元で達成しているのです。

アームのダンピング量も無段階で調整出来ますが、その方法も実に単純明快。
シリコンオイルを満たして中にゴルフボールを浸しているオイルバスを上下させることにより(本体サイドに固定用のビスが着いていますので緩めると上下させることが可能)、ボールのオイルに浸る部分の表面積が変化し、ダンピング量が変わるというものです。
同じ方法で、ボールを吊っているストリングが架かる支柱も上下させることが出来ますので、オイルバスと一緒に上下させることでアーム高さ(=VTA)も簡単に調整出来ます。

さらにゴルフボールを吊っている2本のストリングをねじることで、インサイドフォース・キャンセラーの働きをも行っており、その目からウロコ的発想には脱帽です。
なお、Mk2 になって支点のゴルフボールは白からダークブルーに色が変更されました。


もうひとつ、ウェルテンパードの独創性を物語る部分があります。
トーンアーム同様、ターンテーブルにおいて大変重要な部分、スピンドル・ベアリングです。
スピンドルが収まるスピンドルホール(穴)の形状は何と三角形となっています。
その三角形の頂角のひとつが正確にモーターに向けられていて、円形のスピンドルがそこに収まってドライヴ・ストリングでモーター側に引っ張られると、テフロン製の△穴の2点と接する形になり、それと軸受け底部とで三点接触が実現、極めて摩擦の少ない、かつ安定したゼロ・クリアランス・ベアリングを構成しているわけです。
ですからドライヴ糸を外すと、スピンドルより穴のほうが大きいため、プラッターがグラグラしますが、こんなところも通常ではまず考え付かない設計です。

プラッターに駆動力を伝えるドライヴベルトも様々なタイプのベルトや糸(ストリング)を百種類以上試し、Φ 0.004 inch の極細ポリエステル・ストリングが採用されています(ストリング・ドライヴ)。
これはモーターの駆動力をロス無くプラッターに伝えるのと、モーターの不要振動を伝え難くするためですが、もうひとつには、上記のスピンドル・ベアリングの構造上、安定してプラッターとの間に張力を維持する必要があり、通常のラバー製のベルトに比べて伸縮の少ない糸のほうが有利なこともあるでしょう。

モーターはサーボコントロールされた小型DCモーターで、振動をコントロールして本体キャビネットに固定されています。

プラッターは適度な内部損失と質量,機械的安定性を併せ持ったブラックアクリルを採用、音質検討の結果選択されたしっかりとしたフェルトマットが付属します。

本体プリンツは今回Mk2 になった改良点のハイライト。上級機Versalex と同様のバルチック・プライウッド(樺積層合板)を採用、音質上の利点はもちろん、マットブラック一色だった外観は側面が美しい木目積層面となって格段に見栄えも向上しました。

機能を目指したシンプルさは結果的にコストカットにも繋がり、これだけ能力の高いターンテーブルながらトーンアーム付きでアフォーダブルなプライスタグをも実現しています。
但し決して扱いの楽な入門用プレーヤーではありません。
むしろアナログ・プレーヤーを使い慣れた方や、積極的に使いこなしを追求して性能を引き出そうという方にこそ使って頂きたい高性能機なのです。

商品詳細
駆動方式:ストリング・ドライブ
回転数:33 1/3,45RPM (ストリング架け替え)
モーター形式:DCモーター
トーンアーム:スタティックバランス・オイルダンプ型
外形寸法/ 重量:W380×D380×H165/ 6.2kg