ANIA アニアはレガMCカートリッジ三兄弟の中では末弟ですが、最も新しいモデルですから兄たちの良いところをうまく採り込んでいて、とてもお買い得感の高いのが魅力。
既発売のMCカートリッジ、Aphelion とApheta 2 では独自の振動系で構造的に高い精度を確保するために、削り出し一体型アルミニウム・ボディを採用していますが、Apheta 2 の半分のコストを目標としたアニアにはそうした高価な材料の使用は許されませんでした。
さてそこでレガの出したソリューションが特殊樹脂「ポリ・フェニレン・サルファイド」(PPS)。
ガラス繊維を40% 強化材として添加、耐候性に優れ、高い強度と機械的安定性を誇るエンジニアリング・プラスティックです。
但しこのPPS は成型が難しいポリマーで(40% もガラス繊維が含まれていることもあるのでしょう)、アニアのボディを成型するには複雑な高圧射出成型金型が必要でした。
この金型の製作は、スイス製の特別なCNC加工マシンを使用し、熟練の金型職人が1年をかけて行われました。
この素材の採用で、アニアのボディは削り出しアルミニウムにも負けない強度と寸法安定性を獲得することが出来ました。
また、レガのMCカートリッジ独特の、テンションワイヤーを用いない菱形ピヴォット支持によるカンチレバーとその先の鉄心極小クロス(十字)コイル発電系が、極めてフリーでセンシティヴなピックアップを可能としており、それが如実に音に反映しているのが特徴です。