販売価格は、どうぞご相談下さい。
2011年に発売されて以来、新時代の国産アナログ・プレーヤー標準機として確固たる地位を築いてきたPD-171 に、いよいよ新しい仲間が加わります。
より身近な価格で国産クオリティの本格派プレーヤーを、という難題に挑んだ意欲作です。
ラックスマンとしては、必要な性能,機能,品質を確保してコストも重視しながら開発したのがそもそもPD-171 であり、決して贅沢なコスト度外視モデルではありません。
従ってラックスマン・クオリティを堅持しながらコストダウンを図ったジュニア機というのは、そう簡単に実現するものではありませんでした。
実際、PD-171 のモデルチェンジでPD-171A とPD-171AL が発表されたのとほぼ同時期にジュニア機の企画が持ち上がり、開発陣に託されたのですが、いくつもの壁に阻まれ、結局完成までには4年近い月日がかかったのだそうです。
如何にしてそれを形にしたのか、具体的に見ていきましょう。
- 新開発オリジナル・ブラシレスDCモーター
PD-171 に採用したACモーターは大型で駆動回路も大規模、そして何より大変高価なため、別に用意する必要がありました。
国内外で良質なDCモーターを探しましたが、アナログ・プレーヤーで要求される低速回転での回転精度,静粛性を満たすものが皆無で、専用設計で一から起こすと数億円(!!)のコストがかかるとの試算が出て、四面楚歌。一時開発は棚上げ状態となりましたが、医療機器に使われているモーターをベースにして使えるものが見つかり、開発を再開。ラックスマンの仕様に合わせてオリジナル開発されたDCブラシレスモーターが完成しました。
今回のキーパーツのひとつです。
- 新開発サイン波PWM・PIDモーター制御回路
新開発のブラシレスDCモーターの駆動には新規で回路の開発も必要となりましたが、通常方形波(矩形波)の多相交流で駆動するところをサイン波で駆動する新回路を開発、滑らかで正確無比な回転を実現しました。
- 3種類の回転数切り替え
上級機PD-171A にも無かった機能として78回転にも対応。
これは新規採用のDCモーターが大きなトルクを有するため実現しました。
- 上級機同等のセンタースピンドル軸受け機構
18mm 径高剛性センタースピンドルの高精度ボールベアリングを支える軸受には、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を採用。つまり軸受けとしての主要部分は上級機と同一、外部形状を一部変更して加工工程を減らすなどでコスト削減を達成しました。
- アルミ削り出し重量級プラッター
重量4kg のアルミ削り出しプラッターは、今回新たに裏側に制振素材を貼り込む処理が行われました。
- 高感度S字型ユニヴァーサル・トーンアーム
国内外で多くの実績と信頼を誇るJELCO製国産ユニヴァーサル・トーンアームを採用。これも上級機と同等です。
- トップパネルは10mm厚のアルミプレートで、これをメインデッキとして主要パーツを吊り下げる構造を採用。これも上級機、PD-171A を踏襲(PD-171A のトップパネルは15mm厚)。
吊り下げられるモーターと電源トランスの固定は制振ゴムを介してフローティングされています。
なお、ダストカバーは別売りのオプションとなります。