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ホーム貴重ライヴCD/PREMIEREレーベル[CD-R] ORGANUM ヨハンナ・マルツィ/ベートーヴェン&メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲, '54年ライヴ
商品詳細

[CD-R] ORGANUM ヨハンナ・マルツィ/ベートーヴェン&メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲, '54年ライヴ

販売価格: 1,900円(税別)
数量:
[CD-R盤]
 
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 OP.64
ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲
ニ長調 OP.61 *
 
ヨハンナ・マルツィ(Vn)
オトマール・ヌッシオ指揮 ルガーノ・スイス・イタリア語放送管弦楽団
*オットー・クレンペラー指揮 ハーグ・レジデンティ・フィルハーモニー管弦楽団
 
 
近年急速に再評価が進んでいるハンガリーの女流ヴァイオリニスト、ヨハンナ・マルツィによるベートーヴェンとメンデルスゾーンの協奏曲。
それぞれスイス・ルガーノ音楽祭とハーグ・フィルのアムステルダム公演におけるライヴ録音。
ドイツ在住のロシア人コレクターからの提供音源で、エアチェックではなく放送局保管テープのコピーと思われる。
 
ベートーヴェンは10年ほど前から海外で既出盤が存在するが、どういう訳かヴァイオリン独奏が硬く歪みが多い音質で、マルツィ独特の美音がほとんど聴き取れない残念な音質だった。スイス・イタリア語放送の録音は優秀なものが多く、既出盤は劣化したコピー音源を使用し、さらに劣化した音質を改善するための調整がうまくいかなかったのかも知れない。
当ディスクの音源は、幸いオリジナルの状態でも十分に音質優秀でバランスも良好。マルツィらしい高音の繊細な美音が見事に再現されており、初めて演奏の本来の姿が現れたといえる。良好な音質の一方でオーケストラの非力さが露わになった感もあるが、これは指揮者の責任かも知れない。若干低域が不足気味だったため、わずかにイコライジングで補正したほか、音質を損ねない範囲でヒスノイズの低減を行った。
 
一方、メンデルスゾーンもいくつかの既出盤があるが、こちらも音質があまり良くないと言われている。本来1950年代中期のオランダの放送局録音は決して低レベルではなく、こちらも既出盤は劣化したコピーかエアチェック音源が使用されたのだろう。当ディスクの音源は、別系統のものと思われ、特別に優秀というわけではないが、1950年代中期の放送録音の水準を上回る音質で、ストレスなく十分に鑑賞に堪えるものである。
オーケストラの音量が大きすぎ、ソロヴァイオリンのそれが小さかったため、バランスを若干改善している。なお、一部の資料では6月23日ハーグにおける録音という記載もあるが、より信頼出来る資料データに従った。
 
当ディスクの録音された1954年前後は、ヨハンナ・マルツィが最も活発にレコーディングを行っていた時期に当たる。1952年から1953年にかけてドイツ・グラモフォンにモーツァルトの協奏曲第4番とソナタK.376、ベートーヴェンのソナタ第8番、ドヴォルザークの協奏曲を録音後、翌1954年から英コロンビアとレコーディングを開始、2月15〜17日にブラームスの協奏曲、5月1日と6月1〜3日にバッハの無伴奏ソナタ第3番、6月9,10日にモーツァルトの協奏曲第3番、メンデルスゾーンの協奏曲(ただし、後者は当時マルツィが発売を承認せず、後年CD化)、7月24,26日にバッハのパルティータ第2番を録音している。
このように多忙なレコーディングの合間を縫って、5月に開催されたスイス・ルガーノ音楽祭に参加したことになる。なお、22日という日付は不確定という情報もある(放送日かも知れない)。ちなみにこの年のルガーノ音楽祭では15日にフルトヴェングラーとベルリン・フィルの公演が行われており、ベートーヴェン「田園」、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番(イヴォンヌ・ルフェビュール独奏)ほかが演奏されている。マルツィのベートーヴェンとともに当時は当たり前の公演だったかも知れないが、現代の我々から見れば、当時のヨーロッパは何とも豊かな音楽文化に恵まれていたことだろう。
なお、ベートーヴェンの協奏曲の指揮者オトマール・ヌッシオは、イタリア出身の元フルート奏者で、1938年から1968年の長きにわたってスイス・イタリア語放送管弦楽団の首席指揮者を務めた。30年間も主席の地位にあったということは、凡庸な指揮者では到底務まらず、先にオーケストラが非力と表現したが、当時は育成途上にあったのだろう。
 
メンデルスゾーンは、マルツィが最も得意としたレパートリーのひとつでもあり、当ディスクの録音4ヶ月前の1月にもケルンでシュミット=イッセルシュテットと放送録音を残している。前述のようにマルツィは同曲を1954年にスタジオ録音したにもかかわらず発売を承認せず、1955年に再録音を行い、こちらが発売されている。得意なレパートリーを完全な形で残したいという意思の表れであろうが、1回目の録音は指揮者との齟齬があったのかも知れない。ちなみに当ディスクの録音はクレンペラーがハーグ・フィルに客演した最後の公演でもあった。
 
ヨハンナ・マルツィは、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のスタジオ録音を残さず、当ディスクが現在確認されている唯一の録音。また、メンデルスゾーンの協奏曲は、上記のように、1954年と1955年英コロンビアにスタジオ録音したほか、1954年にライブ録音していた。


※総合カタログは下記を参照下さい:
https://www.ne.jp/asahi/classical/disc/index2.html

*【ご注意】
当商品はCD-R盤です。CD-Rは通常の音楽CDとは記録方法が異なり、直射日光が当たる場所、高温・多湿の場所で保管すると再生出来なくなる恐れがあります。
また、CD・DVD・SACD再生兼用のユニバーサルプレーヤーや、1990年代以前製造の旧型CDプレーヤーなどでは再生出来ない場合がありますが、メーカーや機種の異なるプレーヤーでは再生出来ることもありますので、複数のプレーヤーをお持ちの場合はお試し下さい。
商品詳細
レーベル:ORGANUM
品番:110106AL
Stereo/Mono:Mono
録音:'54.5.22, ルガーノ・テアトロ・クアザール(テアトロ・アポロ)、'54.6.26, アムステルダム・コンセルトヘボウ、ライヴ録音