[CD-R盤]
モーツァルト/ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466
シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 OP.54 *
イヴォンヌ・ルフェビュール(Pf)
ピエール・デルヴォー指揮 パリ放送交響楽団、*フランス国立放送管弦楽団
1958.1.25, 1955.4.4、パリ・ラジオ・フランス・スタジオ
モノラル、スタジオ・ライヴ収録
名女流ピアニスト、イヴォンヌ・ルフェビュール(1898-1986、仏エルモン生まれ)による、聴衆を入れずに行われたフランス国立放送によるラジオ放送用録音。
英国人エアチェック・コレクターによる提供音源で、おそらく放送局保管音源のコピーと思われる。
1958年のモーツァルトは年代相応の録音状態。モノラル・テープ録音技術の安定期に入っており、特に優秀録音というわけではないが、ピアノと管弦楽のバランスも良好で鑑賞には全く問題ない。
シューマンはモーツァルトよりも3年前の録音だが幾分古い印象。両者はわずか3年の差だが、この時代の録音技術の進歩の早さを感じる。ただ放送局による正規の録音であるため必要な情報はしっかり記録されており、聴きづらさもない。例えれば、フルトヴェングラー晩年の放送ライヴ録音の平均的音質に近く、十分鑑賞に堪えるレベル。
ただ、ディスク化に当たっては、低域が過剰でヒスノイズも多かったため、ノイズの低減やバランスを取り直すなど、音質を損ねない範囲の調整を行っている。
モーツァルトのニ短調協奏曲は、1954年5月スイス・ルガーノにおけるフルトヴェングラーとの共演した録音が有名だが、当ディスクの録音はその4年後の録音。ルガーノの公演は、当初予定されていたエトヴィン・フィッシャー急病の代役として、フルトヴェングラーと共演経験があったコンラート・ハンゼンに打診したものの都合が付かず、急遽ルフェビュールに出演要請があったといわれる。
しかし、ルフェビュールは同曲を1951年のペルピニャン音楽祭でもカザルス指揮で演奏しているなど、急な演奏依頼でも対応可能なレパートリーでもあったようだ。
一方、シューマンの協奏曲も複数の放送またはライヴ録音が残されており、得意とするレパートリーだったと思われる。ちなみにシューマンでは第2楽章から3楽章への移行部にティンパニが追加されており、現在確認されている指揮者が異なるルフェビュールによる3種の録音とも追加がある。他の演奏家の事例はあるのだろうか。
なお、モーツァルトの伴奏を務めているパリ放送交響楽団は、現在のフランス放送フィルハーモニー管弦楽団であり、フランス国立放送管弦楽団とは別団体。1937年の設立から1960年までは、Orchestre Radio-symphonique de la Radiodiffusion-télévision Française または Orchestre Radio Symphonique de Parisのいずれかの名称を使用していた。フランス国立放送の第二オケである。
指揮のピエール・デルヴォーは、1956年にはパリ・オペラ座の常任指揮者となり、1950年代末にはメジャーレーベルのEMI とレコーディング契約するなど、1960年代後半頃までフランスで最も勢いのあった指揮者の一人。なぜかその後はあまり良いポストに恵まれず、フランスの地方オーケストラでの活動が中心となり、意外に地味な存在としてキャリアを終えている。エコール・ノルマルにおける教育活動に注力したためかもしれない。
教育活動に注力したといえばルフェビュールも同様であり、長らくパリ音楽院で教授を務めていたが、メジャーレーベルVSM(仏EMI)との録音契約は1950年代中頃で終了し、1960年代はおそらくレコーディング契約無し。1970年代からはマイナーレーベルのFY やソルスティスと契約したが、当ディスクに聴くような協奏曲は放送録音を転用してCD化し、正式なスタジオ(セッション)録音を残さなかった。小規模レーベルではレコーディングのためにオーケストラを雇う予算がなかったのだろう。
ルフェビュールは、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番のスタジオ録音を残さず、当ディスク以外に前記1951年と1954年のライヴ録音が残されている。
また、シューマンのピアノ協奏曲もスタジオ録音を残さず、当ディスク以外に1964年と1970年のライヴ録音がある。
※総合カタログは下記を参照下さい:
https://www.ne.jp/asahi/classical/disc/index2.html
*【ご注意】
当商品はCD-R盤です。CD-Rは通常の音楽CDとは記録方法が異なり、直射日光が当たる場所、高温・多湿の場所で保管すると再生出来なくなる恐れがあります。
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