2025年10月19日
恒例の「東京インターナショナルオーディオフェア2025」(TIAS) に行ってきましたので、店主独断でかいつまんでご報告。
まずは上の方の階から、
アイレックス のブースを訪問。
比較的小さな部屋ですが、席は埋まって満員御礼。途端に目に飛び込んでくるのは、背の高さほどあるスピーカー、イタリアの
ALBEDO Alecta。ただ、幅は比較的スリムなので高さほどの威圧感はありません。

Alecta,Achema
Alecta は小音量でもぼんやりせず、もちろん大音量ではさすがの迫力。ダイヤモンドとセラミックの振動板のためか、タイトなサウンドが特徴。得意のトランスミッションライン方式が功を奏してか、このサイズとしては低域が締まっていて、なかなか。
その内側に置いてある Achema は残念ながら時間帯が合わず聴けませんでしたが、こちらはサイズ,価格ともかなり現実的。
でも今回アイレックス・ブースで期待していたのは、DS Audio 以外では世界初となる光カートリッジ
Reed SF 。同時に発表されたフォノステージアンプと共に、初めてのお目見えとなりました。

Reed SF optical phono cartridge

DS AUDIO を率いる青柳氏
約3年かけてDS Audio と共同開発されたReed SF カートリッジは、組み込まれるはDS Audio の最新発電ユニットですが、その仕様も含めて、ボディはReed 社の完全な独自開発となっています。
特別ゲストとしてDS Audio 代表の青柳氏が登場、Eilex の朝日氏がインタビューする形での開発裏話をとても興味深く聞かせて頂きました。
Reed の光カートリッジ専用フォノアンプは、もちろんDS Audio のカートリッジとも完全な互換がありますが、一番の特長は電源部を完全なバッテリー駆動としたことで(本体と電源部で2筐体)、これはすでに数多く発表されている光カートリッジ用フォノアンプとしては世界初の試みとなります。

Reed EQ
お次は1階下って、まず
ロッキーインターナショナル。
特に新製品の話は聞いていなかったので、確認程度のつもりでうかがったのですが、中からとても心地良い音が流れてくるではありませんか。

QUAD ESL 2912X electrostatic loudspeaker system
部屋に入るとスピーカーは、あの懐かしいESL?? 既に生産終了していますので、以前のモデルを引っ張り出して来てデモしているのかな、と思って担当の方に訊いてみました。よくぞ訊いてくれましたというように、ニコニコして「実は新しいESL が出るんですよ。」とのこと。十二分な時間をかけて、性能,信頼性を大幅に向上させ、肝心の振動膜(マイラーフィルム)も6枚に分割して(2912X)徹底した再構築が実施された模様。
ちょっと聞いた印象は、久々に聴いた懐かしい上質なブリティッシュサウンド。かけていたのがクラシックのオーケストラでしたから余計相性が良かったのでしょう。これは期待出来そうで、個人的にも今回の収穫のひとつです。
さて、隣りは超人気の
ソウルノート のブース。
ここは事前に入場券を取らないと入ることも出来ず、敢えてお客様の枠を取ることもないので、加藤さんの名調子が聞けないのは残念ですが、前を通過。
いうまでもなく、新しい2シリーズと1シリーズはおススメです。

Soulnote E-1 Ver.2 phono stage amp.
トライオード ではいつものように山崎社長、健在。満員で長居が出来ませんでした。
新しいJUNONE 845SE やTRZ-P300W がおススメ。
アナログプレーヤーには、イタリアのGOLDNOTE PIANOSA-GLANZ。グランツ製のユニヴァーサルアーム MH-9H を搭載するモデルです。

GOLDNOTE PIANOSA-GLANZ
タクトシュトック は今回初参加。ブースに近付くと、景気の良い打楽器の連打が聴こえて来ました。コープランド作曲「ビリー・ザ・キッド」、ガンファイトの場面です(後で訊いたら、レナード・スラットキン指揮セントルイス交響楽団の演奏)。入り口に入る5m前でも、いい音なのが分かります。
ここも満員で部屋に入れず、入口のところから暗い室内をうかがうことしか出来ません。
代表の庵さんが、あちこち歩きまわりながら熱弁をふるっていて、その体験談がまた楽しい。
主役の音の良いスピーカーは、初お目見えの
EPOS ES-28N というトールボーイ・タイプ。
扱いやすい大きさで、同社では最大のモデルですが、目ん玉が飛び出るほど高価にはならないでしょう。いいですね、こうした身の丈スピーカー(大きさではないですよ)でデモしてくれるのは有り難いです。
今後のお勧めになりそう。

EPOS ES-28N
アナログプレーヤーはもちろん
VERTERE、来年発売予定のフラグシップ RG-1PKG をデモ。カートリッジは同じくVERTERE のフラグシップMC、Ruby One MC を披露。これらがあってのこの音、であるのは間違いありません。

VERTERE MG-1PKG
また下って4階、今度は
ステラ&ゼファン の大きなブース。
部屋に入った時には、
WILSON AUDIO のゴジラ、AlexxⅤが朗々と鳴り響いていました。
ゼファン側に展示されていたスピーカー、スウェーデンの
MARTEN Coltrane Supreme Extreme は方チャンネル2ボックスで構成される、同社のフラグシップ機。価格は聞かないでおきましょう…。

MARTEN Coltrane Supreme Extreme *これで方チャンネル分
ラックスマン のブースで鳴っていたのは、フランス
フォーカル の Scala Utopia Evo。新製品ではありませんが、今回はとくに素晴らしいサウンドを披露、久し振りにフォーカルの美音を聴いた思いがしました。
ラックスマンの新製品は、最上級CDプレーヤー D-100 CENTENNIAL とA級インテグレーテッドアンプ L-100 CENTENNIAL、その名のとおり創業100周年を記念するモデルです。

FOCAL Scala Utopia Evo

LUXMAN D-100 Centennial CD/SACD player
ナスペック ブースでは、ヨシノトレーディングから輸入を引き継いだドイツの名門アナログオーディオ・メーカー、
クリアオーディオ に注目。
数多くの中から厳選したモデルを順次ラインナップしていますが、今回展示された新製品2つをご紹介。
アナログプレーヤー Compass は、同社のエントリーモデル。カートリッジ(多分)とダストカバーも付いて予価は 345,000円(税別)。
もうひとつ、レコード・クリーニング機の新製品 Smart Double Matrix が発売されます。これは今までのDouble Matrix Professional Sonic をグッとコンパクトにまとめたモデルで、一度にレコード盤の表・裏両面をクリーニング出来る優れモノです(予価635,000円・税別)。

CLEARAUDIO Compass

CLEARAUDIO Smart Double Matrix