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2013年10月
店主日誌:2
2013年10月13日
14日まで3日間、有楽町駅前の東京交通会館で開かれていた毎年恒例のハイエンドショウ・トウキョウを観てきました。

お目当てはアナログ機器中心で、EARやクリアオーディオ,ノッティンガムなどを擁するヨシノトレーディング、トーレンスのバラッド、真空管アンプのトライオード、その他、光電子カートリッジを新たに開発したというDS Audioなど、今回新しく紹介されるいくつかのメーカーです。

ヨシノトレーディングは大きな専用ルームを使い、代官山・蔦屋をはじめとして各地で数多く開催してすっかり定着してきた感のある「大人のアナログ・レコード・コンサート」スタイルでアナログ・レコードの魅力をアピール、毎回多くの聴衆を集めて好評でした。
とくにアナログ・プレーヤーにはクリアオーディオのInnovation Compact ターンテーブルに同社の誇るリニアトラッキング・アームTT3 を搭載したシステムが披露され、安定した再生を聴かせてくれました。
英国の赤鬼、Mr.チューブことEARのティム・デ・パラヴィチーニも終始にこやかにお客の対応に追われていました。

バラッドはラインナップの豊富なトーレンスのアナログ・プレーヤーをずらりと展示、今回新たに発売となったTD206,TD209 の赤いボディがひときわ目を惹いていました。
独ムジークエレクトロニク・ガイザインから新たにお目見えの、四角い一つ目親父のような3ウェイ・アクティヴ・モニタースピーカーは坂本龍一のピアノソロをまさにそこで弾いている如くに再生し、その実力を改めて認識しました。

トライオードは、私も心待ちにしていた300Bパラシングルのモノラル・パワーアンプをお披露目、正面にメーターを配したデザインはなかなかです。

ショウのホームページで紹介されているのを初めて見て、なるほどこれは面白そうと楽しみにしていたのが、DS Audio という国内メーカーの光電子フォノカートリッジです。
光電子カートリッジというのは、ヴェテランの方の中にはご記憶の方もおられるかと思いますが、40年ほど前、東芝オーレックス,トリオ,シャープ・オプトニカなどメジャーメーカーが発売していた、最先端技術を応用した製品でした。
当時はフォトトランジスターと豆電球(!)を使っていましたが、今なら時代の寵児LEDが使え、格段の高性能化,小型化が図れます。
展示されていたものは試作品ではあるものの、ほぼ完成形で、今年中には市販が開始される予定とのこと。
しかもカートリッジと専用イコライザーアンプとのセットで少々驚きの価格を実現してのお目見えのようで、大きな期待を寄せたいと思います。
近々当店から正式なご案内が出来るはずですので、ご期待のほどを。

他にはすでに実績あるメーカーですが、コニシスがコンシューマー・モデルとして大変気の利いた小型フォノ・ステージ・システムを発表していて、印象に残りました。
これも近々詳しくご紹介させて頂くつもりです。

他にもまったく新しい国産高級真空管アンプ・メーカー、COEUR d'ALENE コアダレンというところが、大変美しいデザインのプリ&パワーアンプを発表、細部の構造,仕上げなど各所に独自の工夫が凝らされ、これもなかなかの出来栄えと感じました。
2013年10月08日
今日、お客様がご自分で録った生録音源を持って来て下さって、店で一緒に聴かせて頂きました。

ずいぶん前、オープンリール・テープ・デッキ全盛の頃、頻繁に生録会というものが開かれていましたが、生録という言葉を聞いたのは久し振りです。

このお客様も当時の生録ブームをリアルタイムで経験された世代ですが、久々に何十年ぶりかで用意された機器は当時の十分の一ほどの大きさと重さの小型ポータブル・デジタルレコーダー(KORG製、現在廃番)。小さなハードディスク・メモリーを内蔵した、お弁当箱ほどの高性能録音機で、audio-technica のワンポイント・ステレオマイクとの組み合わせです。

なるほど、これならカメラのように持ち歩いて、昔とは比べものにならないほど手軽に生録が可能です。
既に4,5ヶ所でジャズの生演奏を収録されていましたが、どれもそれぞれその場所の雰囲気が生々しく再現され、なかでも小淵沢のペンションのサロンで録音されたピアノ・トリオは比較的ポンと(しかしちゃんと考えて)マイクセッティングしたとは思えないバランスで大変クリアに録れており、このままCDにしてもおかしくない出来栄えでした。

気を付けて見ていると、現在も時々生録会が開かれているそうで、参加人数も数人から10人ほどと、昔のように機材やマイクの置き場所の取り合いなどの心配もなく、余裕で楽しめるところも魅力です。
さらにポータブルな手軽さを活かして、阿佐ヶ谷のストリート・ジャズなどをスナップ写真の如く録る、なんていうのも簡単。
しかもCDをはるかに超えるスペックでのデジタル収録がハンディな機器で可能なのですから、考えてみると今こそ生録、なのかもしれません。

私もちょっとやってみたくなりました。