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ホーム店主日誌2015年12月
2015年12月
店主日誌:4
2015年12月23日
 
 
 
さて今年も年末恒例のリスニング、クリスマスの「くるみ割り人形」と、大晦日の「第9」の時期となりました。
手持ちのレコード(CDは除く)から選定しなくてはなりません。特にくるみ割りは選択肢がそう多くなく、すぐ一巡してしまいますから、そろそろ新たな演奏を加えなくてはなりません(とはいっても年1回ですので余裕はあります)。

さてまず今年の「くるみ割り人形」は、名匠ドラティが久しぶりにアムステルダム・コンセルトへボウ管を振って入れた2枚組の全曲盤。
彼はアム・コンとはステレオ初期に「新世界」を入れたのみでしたが、その後晩年になって数タイトルまとめて素晴らしい録音を残してくれました。そのうちの一組です。
持ち前の抜群のリズム感覚はバレエ音楽でも大きな強みを発揮してくれます。

年末の第9は久々にレコード棚から引っ張り出してきた1枚、いや2枚組。
マルケヴィッチ指揮ラムルー管弦楽団の演奏で、交響曲第1番とのカップリング、店主にとっては取って置きのアルバムです。

今年はどちらも2枚組、聴く時間が取れるかが少し心配ではあります。
2015年12月17日
 
店主も創刊から愛読している「analog」誌 (音元出版)が今号で創刊50号を迎えました。
早くからレコード再生のためのアナログ・オーディオに特化した誌面で地道にアナログ・ファンを掘り起こし、現在のアナログ・オーディオ人気に一役買ってきたことは間違いなく、店主もこれからも100号,200号と号を重ねていくことを願って止みません。

さてこの最新号が届いてきてみると、おや?、本誌より厚い箱のようなものを背負って分厚くなっています。
開けてみると生成り色のわりと地厚のレコード・バッグが入っていました。真ん中には赤でanalog のロゴとトーンアームのシルエットが入って、なかなかいい感じです。
付録としては気が効いていて、レコード好きには実用性も抜群。
いつもは立ち読みの方も今号はこのバッグ目当てに、たまには買ってみては?

店主おススメ!
2015年12月15日
 
 

今日夜、11時からのTV TOKYO「ワールド・ビジネス・サテライト WBS」でアナログ・レコード・ブームの話題が取り上げられていました。

こうしたニュースはすでに1,2年ほど前から度々取り上げられていて、私も数回見た覚えがあります。
一過性でないレコード・ブームの象徴として、渋谷のHMV で若い女性がレコードを購入する場面や、フル稼働する国内唯一のレコード・プレス工場、東洋化成(株)の工場内の様子などが紹介され、これらは今までの他の番組と同様で今更ながらの感がありますが、今回改めて取り上げたのは、大手レコード会社であるユニバーサルミュージックが音楽ソフトではなく初めてアナログ・プレーヤーを発売するため。

ユニバーサルミュージックは、デザイン家電の雄 amadana とのコラボレーションでプレーヤーを共同開発、初めてレコードをかける若い層をメイン・ターゲットとしています。
そのためamadana らしい木目ボディの洒落たデザインながら、価格が何と15,000円!(税別)
但し、フロント左右の大きめのフット部分に40mm スピーカーを仕込んだ一体型、今風のカジュアル電蓄です。
2015年12月11日
 


以前荻窪音楽祭でお世話になった作曲家の小松さんからお誘いを受けて、「モーツァルトとマリー・アントワネット」という演劇公演を、品川区荏原にあるスクエア荏原ホールへ観に行ってきました。

東京イボンヌというのは私は初めてでしたが、'07年に旗揚げ、俳優の演技,声楽家の歌唱,そして演奏家による生演奏を融合した「クラシック(音楽)・コメディ~【クラコメ】」というスタイルで好評を博している劇団で、例えば前回公演では、いしだ壱成をゲストに招き舞台「俺の兄貴はブラームス」を、それ以前は「酔いどれシューベルト」,「ショパンの馬鹿!別れの夜」,「イッヒリーベディッヒ~ベートーヴェンの愛した曲」,「無伴奏」など、ちょっと見てみたくなるような題名の作品が並んでいます。
小松さんはそこで音楽監督,編曲を担当されています。

今回は主役の二人、モーツァルトとマリー・アントワネット役にゲストで石井康太さん(俳優&コメディアン)と宮地真緒さん(NHK 朝の連続テレビ小説「まんてん」主役)を招いての公演です。

演劇の舞台を観るというのはン十年ぶり、期待と不安を胸に向かいましたが、まず驚いたのがほぼ満席状態なこと。
ゲストのファンも多かったのでしょうか、360席ほどの小ホールではありますが、平日木曜日のお昼12時からの演劇公演でこれほど入るものなのかと、認識を改めました。年齢層も若い人から年配までほぼまんべんなく入っています。

開演30分前には、ピアノを担当する小松さんと合奏アンサンブル,声楽メンバーらによるプレコンサートも開かれ、そこで小松さんの美しいオリジナル曲も披露されました。

劇の内容はモーツァルトとマリー・アントワネットにまつわる史実を取り入れ自由に構成、モーツァルトを神の子に仕立てて展開する荒唐無稽な物語。アマデウスの有名な父親レオポルドやパパ・ハイドンも重要な役柄を演じます。

普通の演劇とは大違いで音楽のほうにも俳優の演技と同じウェイトが与えられ、小さな室内楽団ほどのアンサンブルが常時舞台上に陣取り、俳優の演技と交互に、モーツァルトの器楽曲や、ゲストの声楽家ら(ソプラノとメゾソプラノ)が本格的なアリアを歌い上げます。
オペラはあまり得意ではない私もよく知るタイトルがいくつも現れて、楽しめました。

演技,コメディー,音楽,振り付けなどが一体となったハイブリッド演劇とも言うべき作品で、ゲスト2人のスタイルの差もあってシリアスとコミカル(コメディー)がまだ消化し切れていないきらいはあったものの、これだけ盛り沢山な内容をまとめた脚本家の力量は、これが記念すべき第10作目となることもあって、なかなかのものと感じました。

次は、第1回公演の演目ながら最も再演の希望の多い(実際に1回再演を実施)「無伴奏」だそうですので、ご興味のある方は注目を。