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ホーム店主日誌2016年8月
2016年8月
店主日誌:4
2016年08月29日
 
 
 
トーレンスの往年の名機のひとつ、TD521 を神奈川県のお客様に納品させて頂きました。
大変状態の良い品物で、確認にお越しになったお客様はひと目でお気に入り下さり、購入を決定されました。

アームにはSMEの現行ロングアーム、M2-12 を載せるためにアームボードを製作。
現在、オーナーのもう1台のプレーヤー、ノッティンガムのスペースデッキとともに活躍しています。

ご用命ありがとうございました。
2016年08月13日
 

 
話題の「シン・ゴジラ」、観て参りました。

子供の頃から繰り返し観て、伊副部音楽のオスティナートのように刷り込まれてきた第1作の白黒「ゴジラ」が唯一無二の「真・ゴジラ」だと信じてやまない店主ですが、ここ2作ほどの米国ハリウッド製ゴジラの余りの失態に、やはりゴジラ映画は日本で作らないとダメなんだ、との確信をもつようになっていました。
かと言って、ハリウッドへ行く前の国産ゴジラも完全に行き詰まりを見せていましたので、今更また日本で新しいのを作ってもどうなのかなあ、などという思いがあって、新しいゴジラ上映開始のニュースにもそれほど惹かれず、そのうち行ってみようか、程度でした。

それが、少し前に相次いでお客様や友人など何人もから「すごく良かった」という感想を聞いたことがきっかけになって、家族で観に行くことにしました。
どうせなら一番大きい画面がいいと、まずIMAXを狙ったのですが、これは気がついた時には既に遅く、予約でチケット完売。それならと新しい新宿・歌舞伎町TOHOシネマズ新宿の一番大きな上映室(スクリーン9、約500席/8×19.2m画面)に予約。

結果、ゴジラにはちょっとうるさい店主も90%納得(これはほぼ満点に近いという数値)、予想を超えて大満足でした。
実は並んで観ていたカミさんのほうがいつも辛口で、まず何を見ても「まあまあ、だね」というのが口癖ですが、今回は一言「面白かったね」。これはかなり高評価と受け取っていいと思います。因みに、もちろん息子は大喜び。

何が良かったって、やはり初心に帰った第1作ヘのリスペクト。
それと何といっても徹底的にリアリティを追求した映像。しかもこれも、第1作のミニチュア模型による細部の拘りがちゃんと継承されています。自衛隊の全面協力もお決まりかつ必須。
そして個人的に嬉しかったのは、オリジナルの伊副部音楽ヘのリスペクト。部分的には本当のオリジナル・サウンドトラック(モノラル)を使用してまでの拘りようには頭が下がりました。

ストーリーについてはネタばれはしたくないので細かくは申しませんが、とにかくリアルに、「今、ゴジラが現れたら日本はどうするだろう」という設定で徹底的にドキュメントドラマ仕立てで余計なエンターテイメントを排したことが功を奏していると思います。
強いて言うと、昔の映画のように強烈な個性でゴジラに負けないほどのインパクトを与える俳優(例えばオリジナル・ゴジラの芹沢博士役、平田明彦)がいないのは歯がゆいところですが、致し方の無いところでしょう。

総監督の庵野秀明は「エヴァンゲリオン」、監督の樋口真嗣は「進撃の巨人」の監督とのことで、アニメーション界の逸材たちがフルCGと割り切って全力で取り組んだことがよかったのでしょう。
店主には今まで縁のない新世代のクリエーター達ですが、後で庵野は「風の谷のナウシカ」で巨神兵のシークエンスを担当したと聞き、なるほどと納得。

興味のある方、まだ観に行かれていないなら、映画館へGO!
2016年08月09日
 

 
お客様による恒例のカートリッジ会も、記念すべき10回を迎えました。
ご本人たちはそんなことには関係なく(私が勝手に回数を数えています)、いつもどおりカートリッジとレコードを持参。お土産にお持ち下さったお菓子をつまみながら情報交換、話は弾みます。
 

 
今回はメンバーの方が私どもから購入のレコード、「ボビノ座のバルバラ'67」というシャンソンのライヴ録音盤の聴き較べから始まりました。
たまたま入荷したステレオ盤とモノラル盤両方ともお求め頂いたので、それぞれGoldring ElectroⅡ とAKG P25MD/35 (ステレオ)、Audio-technica AT33MONO (モノラル)で聴き較べ。
この盤、録音はタイトルにあるように1967年ですからもうステレオ時代のレコードですが、フランス盤しかないからでしょうか、手に入る多くはモノラルで、ステレオはかなり稀少。今回の入庫も探してようやく入ってきたものです。
その分少し高いので、もしステレオ盤だけで十分なら、モノラルのほうはキャンセルか、という気持ちで聴き始めたのですが、ピアノ,アコーディオン,ベースというトリオにヴォーカルという構成からしてモノラルも捨て難く、やっぱり両方お買い上げ、ということになりました。ありがとうございます。
 

 
次は古い米COLUMBIA(日本コロムビア盤)のアンドレ・コステラネッツがニューヨーク・フィルを指揮するエネスコの有名なルーマニア狂詩曲第1番。貴重な10吋フラット盤(MONO)で素晴らしい保存状態、ヴェテラン・メンバーのコレクションです。
コステラネッツはソ連のサンクトペテルブルク出身、アメリカに亡命後はご存じのように自身のオーケストラを振ってライトクラシックやイージーリスニングの先駆けとして活躍しましたが、このレコードのようにメジャーオーケストラを振って本格的な録音も行っていました。
これがまた録音も含めてなかなかの演奏で、引き締まったNYフィルを自在に操って民族色豊かな演奏を聴かせてくれました。カートリッジはAudio-technica AT33MONO 。
 

 
次はMICRO M-2000/5 とAudio-technica AT-160ML という2つのステレオ・カートリッジでステレオ初期のクラシックとジャズの名盤を。
DECCA (LONDON)のアンセルメ/展覧会の絵と、CONTEMPORARY のアート・ペッパー/Art Pepper Meets The Rhythm Section、どちらも名盤ですね。
とくにマイクロのカートリッジは'60年代の製品(!)ながら驚くほど生彩感あふれるサウンドを披露して(オーナーも含めて)一同ビックリ。マイクロはカートリッジのイメージはあまりありませんでしたが、認識を新たにしました。
 
今回は、以前たまたまメンバーの1人と当店で会って話が合い、次のカートリッジ会に参加をお誘いしていたお客様が仕事を終えてから駆け付けて下さって、後半に参加、ちょうど10回目の新メンバー(?)となりました。
2016年08月03日
 

 
先日、仕入れ先の営業の方が、英国 IsoTek 社のクリーン電源 EVO3 AQUARIUS(アクエリアス)を持参してくれました。何だか、のどの渇きを癒してくれそうな名前です。
立派なプリメインアンプか小型パワーアンプくらいの大きさがあって高級感漂い、ラックの後ろに隠しておくのはもったいないくらいのコンポーネントです。

「CDかアンプあたりをここに繋いでみませんか?」と言うのですが、
[え?今さらクリーン電源は目新しくもないし、ラックの後ろに潜るのメンドクサイしなあ..](心の声)
と早速持ち前のものぐさが顔を出し、一瞬躊躇していると、それを見透かしたようにすかさず、
「では、簡単に効果を試すことが出来るので、ちょっとやってみましょう」
と、何やら小さな箱を取り出します。
「まず、この電源アナライザーを壁コンセントに挿してみます」
でんじろう先生のビックリ実験を見守る子供のような気がしてきました。
するとビックリ、アナライザーには小型スピーカーが仕込んであり、そこから盛大にピーピー,シャーシャーとノイズが出まくり、加えてラジオ放送もかなりはっきり聞こえます。
家庭用電源にのった可聴帯域のノイズを強調して分かり易く出しているのでしょうが、それはそれはひどいものです。
当然ある程度のノイズはのっていると分かっているつもりでも、それを音にしてはっきり聞かされてしまうと、そのままオーディオ機器を繋いで「ああ、いい音だ」と聴いている自分が恥ずかしくなってしまいます。
音だけではなく、アナライザーのパネルには小さなディスプレイがあって、ノイズのレベルを 1000 をMAXとして表示します。困ったことにうちの壁コンセントは800台、繁華街のマンションの1階ですから予想はしていたものの、うーんかなりひどい! また、試しに作業用の数メートルある長い電源タップに繋いでみると、1000 超えのオーバー表示、最悪の状態です。

さて、ここからが見せ場です。
アクエリアスを先ほどの壁コンセントに繋いで、今度はアクエリアス背面にある出力コンセントにアナライザーを挿してみます。
あれ? ちゃんと繋いだ? アナライザーのスピーカーはうんともすんとも言いません。先ほどはあれほどうるさくわめいていたのに、全くの無音です。
「裏のスイッチでも押してるんじゃないの?」と冗談半分に言ったものの、誰でも分かるその効果は絶大、のようです。

数値表示も数十からほぼゼロのあたりを示し、確かに効果の大きさがうかがわれます。

既に数多く存在するクリーン電源,電源フィルターなどもこのアナライザーを試すとそれぞれ効果は確認出来るものの、ここまで低減されるものは無い、とのことでした。

IsoTek は2001年創立とのことですので、まだ比較的若いメーカーですが、独自のフィルター技術を武器に、彼らの高性能オーディオ用電源コンディショナーは世界的にも高い評価を得るに至っています。
あればいいのは分かっているけれど、そのうちにね、という方、安くはありませんが、これはご検討頂いていいかもしれません。

それにしても、あの電源ノイズ・アナライザー(IsoTek製ではありません)、欲しいなあ。