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2016年3月
店主日誌:3
2016年03月30日

 

恒例の会も第8回を迎えました。

まあ、毎回結局同じようなことをやって楽しんでいるのですが、今回はほんのちょっと趣向を変えて、先輩メンバーが自宅から「発掘」してきた古いレコードを、新進気鋭メンバーがかつての名カートリッジのコレクションをごっそり持参。
別に始めからそう企画したわけではないのですが、いつもとは役割が逆のパターンです。

写真に写っているレコードはウェストミンスター盤ですが、米本国盤ではありません。国内の日本ウェストミンスター盤です。
'50年代末~'60年代初頭の盤と思われ、本国オリジナル盤と見まごうばかり、ジャケットの厚紙やレコードのレーベルなど、最初はてっきり米国盤かと思いました(録音は'50年前後)。
当時米ウェストミンスターや仏エラートなどは日本コロムビアの関連会社、日本ウェストミンスターが発売していました。その頃の日本コロムビアは米コロンビアとの専属契約を行っていたからです。
従ってこの盤もプレスは日本コロムビアということになります。

これはやはり当時のモノラル専用針で聴こうということで、NEAT VC-3 で聴くと、ワルター・バリリのヴァイオリンの音色が生々しく響き、当時の音が「解凍」されて当時そのままに聴こえてくるように感じられました。
これこそレコード再生の醍醐味ですね。
2016年03月16日
 
 
 
代理店の方が、独Acoustic Arts 制作のアナログ・レコードのサンプルを持って来てくれました。

アコースティック・アーツはアンプを中心とするハイエンド機を擁するドイツのメーカーで、'09年、オーディオファイル向けにAcoustic Arts Audiophile Recordings レーベルを立ち上げ、今までVol.5 までのCDを発売してきました。

今回初めてアナログ・レコードの形でリリースされるのが、Vol.2 の女性ヴォーカル集です。
LP2枚にたっぷり15曲収録されていますが、すべて異なる歌手によるものでプロデュースも録音も別なのですが、いずれも上質なアコースティック録音で見事に統一感が取れ、オムニバス盤を聴いている気がしません。
スタイルは様々で、あっという間に1枚目を聴き通してしまいました。
そのなかでは一番最初、ノルウェーのBenedicte Torget の歌うSleep While が北欧を感じさせるひんやりと透き通った音楽が、優れた録音とともに最も印象に残りました。

ドイツプレス高音質重量盤2枚組。
少々高いレコードですが、十分楽しめる内容です。

Acoustic Arts Audiophile Recordings UNCOMPRESSED WORLD VOL.2 (2枚組LP/9,800円・税別)
2016年03月05日

 

これは雰囲気のあるヴィンテージ・プレーヤー、米エンパイアの598 です。
エンパイアというと、以前を知る方にはMM/IM型カートリッジのメーカーとして馴染み深い名前でしょう。

598 は'70年頃の製品で、ドイツ製ACモーターで2ピース構造のプラッターをベルト・ドライヴします。
サブ・プレートに取り付けたカートリッジを固定ヘッドシェル型アーム990 に着けるようになっています。このアームはダイナミック・バランス式で、ダイアルで針圧を印加します。見た目はごついですが精度は高く、特別に軽針圧でない限り普通のカートリッジを着けて聴くことが出来ます。

トーレンスの旧型やリン LP12 のように、プラッターとアームを載せたサブシャーシを本体からスプリングで浮かせた構造となっています。

モーターはまだ元気で大変静かに回りますので、錆びたプーリーを磨き、サスペンションを組み直して調整、電源ケーブルとアームケーブルを交換、各接点をきれいにして、アーム再調整、キャビネットの木部を磨くと大変きれいに蘇りました。
付いているオーディオテクニカのカートリッジを通しての音は、プレーヤーの外観どおり、たいへん濃厚な再生で、むせび泣くサックスにはやられました!