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ホーム店主日誌2018年6月
2018年6月
店主日誌:4
2018年06月19日
 
お客様二人(+アシスタントの店主)による恒例のカートリッジ会も、若手メンバーの方が地元に戻られてからは年1~2回ほどのペースになりましたが、今回は先日のアナログオーディオフェアに合わせてわざわざ1泊でお越し下さり、1日目フェア見学、2日目にカートリッジ会というハード(?)スケジュールをこなして下さいました。

お二人がカートリッジの詰まった専用ケースを開いてずらりと並べると、たちまちテーブルの上は満員状態。それでもまだヴェテランメンバーのキャリングバッグにはそれ以上のケースが出せないで残っています..。
まずは極上寿しの如く色とりどりに並んだカートリッジを眺めながら歓談。

そうこうするうちにお客様が一人ご来店に。
テーブルの上を見るや、そのお客さまも加わってさっそく3人でカートリッジ談義が始まります。
実はこのお客さまも愛知県からアナログオーディオフェアを見物に来られ、その足でせっかくならと私どもまで足を延ばして頂いたのでした。
初めてお越しのお客様でしたが、話題が合うと他人も知人もありません、皆オーディオ仲間、狭いので全員が座ることが出来ずに4人とも立ったままで盛り上がります。

では何かかけましょう、ということで、愛知の新メンバー(?)が買って帰るつもりの「ベイシー・ビッグ・バンド」を、まず手始めにドイツのクリアオーディオ、Aurum Classic で鳴らします。名前のとおりクリアで鳴りっぷりの良いビッグバンドが心地いい。




次はちょっと珍しいデンマークはB&OのMMC6000。
かけたのはメニューインとシルヴェストリによるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。先ほどとは打って変わって奥ゆかしい、いかにもヨーロッパ的な響きがひろがります。



(from AUDIO HERITAGE)

同じ盤を今度はビクターのMC-1 で。今までの2つはMMでしたが、今度はMC型です。
さすが名機、さっとあたりが晴れ渡り、現在のMCカートリッジにも聴き劣りせぬ再生ぶりに一同納得。



さて、次は今回のメインイベント、ヴェテラン・メンバーが最近揃えた旧東芝Aurex のコンデンサー・カートリッジ&専用イコライザーの登場です(Aurex 403S+SZ-1000)。




これがまたいい。
思わず「滑らか!」と口走ってしまいました。そうなんです、音がスムーズで自然。とても40年前の製品とは思えないフレッシュなサウンドです。
これを聴くと、DS Audio の光電カートリッジのように、かつて存在したコンデンサー型カートリッジも、どこかが今の技術で新しく作ってくれないものかと思ってしまいます。
因みにコンデンサー・カートリッジも光電カートリッジと同じく原理的に電磁変換をしない「振幅比例型」です。その点でもメリットは大きいのです。

最後はガラッと趣を変えて「モノラル盤を聴こう!」コーナー。
使用するのは米GE のVRⅡ、所謂バリレラ・カートリッジです。まだSPとLPが混在している時期の製品で、上に大きく出っ張っている赤いノブで、2つ着いているSP用とLP用の針をくるっと180°回して取り替えることでどちらのレコードもかけることが出来ます。

聴いたレコードは、どれも大変珍しいものばかり。若手メンバーがこの2日間に都内を駆け巡って仕入れたものです。フルトヴェングラー以外は店主も知らなかったレーベル。


米UNICORN エルンスト・レヴィ(Pf)

米Program Records ベートーヴェン「大公」/シュタルケル他

アルゼンチン CID ブラームス チェロソナタ/シュタルケル

これに、英HMV のフルトヴェングラー指揮/ベートーヴェン「フィデリオ」序曲

また、参考出品としてこれまた稀少な東芝Aurex 製光電カートリッジも。但しまだ専用イコライザーアンプが未入手で、残念ながら眺めるだけ。でもその丸っこい形は一度見たら忘れられません。どうしてもイコライザーが入手出来ないようならば作ってしまうかも、との頼もしい発言も。行方を見守りましょう。



今回は一時飛び入りのお仲間も加わって、ひときわ楽しいひと時となりました。
ありがとうございました。
2018年06月13日
 

 
毎回楽しみにしている「アナログオーディオフェア」に行ってきました。
今年は当店「カートリッジ会」(お客様二人の自主運営)のメンバーお二人と一緒に見学です。
3人で早めのランチをとってひとしきり歓談してから、いざ会場へ。

今までは玄関のある1階にブースはありませんでしたが、今回は初出展のアスカが部屋を設けて展示。純マグネシウムを使ったアウタースタビライザーをはじめとするアナログ・アクセサリーを揃えています。
なかなか見たり聴いたりすることが出来ないからか、小さな部屋は満員状態。初めての製品ばかりなので、皆熱心に質問をしていました。
アスカ製品試聴ご希望の方は、どうぞ当店にお申し付け下さい。

次は、今のうちに行かないと入れなくなるということで、3階のイベント会場へ移動。12時半から「最新のMCカートリッジを聴く」(音元出版主催、小原由夫氏)が始まります。
実は店主、混むのと時間を食うのが嫌で、イベント・試聴会といったものにはほとんど参加しません。むしろ、イベントに人が入って他が空いているうちにしめしめと一気に回るのが常套手段です。
でも今回はカートリッジ会メンバーと一緒ということもあり、色々聴き比べも悪くないと参加してみたのですが、ビックリ。まだ20分前なのにほぼ満員で席は無し、後方の立ち見もすでに満員で入るのに一苦労です。かなり甘かった..。
聴いたのは、47研究所,ZYX,PLATANUS,ACCUPHASE,GRADO,PHASEMATION。これでまだ前半の半分ですが、立ちっぱなしということもあり息苦しくなって出てしまいました。
さすがに各社代表選手を立ててきているだけあり、甲乙つけ難く、いずれも水準の高い再生で聴かせました。
小原氏は、これだけ大勢入ると聴く位置が悪い場合も多いので、空間表現よりは音色の違いを聴き取って欲しい、と言っていましたが、意外と音色よりは音場の広がり感などの違いのほうが聴き取れたように思います。

さて追い出されるように出た後はひとつ下の階へ。2階の大部屋は店主のお気に入りコーナー。小規模メーカーが多数、露天商のごとく机を並べて待っています。
スピーカーを使っての音出しは出来ない部屋ですが、ここでしかお目にかかれないメーカーがほとんどで、直接制作者に話を聴くことが出来るのがメリットです。
興味津々の試作品を展示していたのが47研究所
「昨日工場から出来てきたばかりです」と言うのが、スイスのThales と同様の原理でトレースするリニアトラッキング・アーム。本生産品はさらに煮詰めて軽量化するとのこと。まだ少しかかりそうですが、是非製品化してもらいたいものです。

最も長居したのがAnalog Relax、あのKOI-OTO カートリッジのメーカーです。
今回は渾身の力作、トップエンドモデルのEX1 を初出品。KOI-OTO を超えた、クラシック・ファンをも振り向かせるカートリッジだそう。“いわゆる「いい音」の向こう側を知りたくありませんか?”というキャッチフレーズも決めてくれています。
この新作も含めた3モデルをヘッドフォンで一気聴き。どれも「濃い」「いい音」で、どれか選べと言われると困ってしまいます。
これも試聴されたい方はどうぞ、私どもにお申し付け下さい。

他にも、アクセサリーが豊富に揃うフルテック,ラックやプレーヤー・キャビネットのみならず、プレーヤーの試作機も展示していたマスタツオーディオ,高剛性アームのGLANZ,真空管アンプの上杉研究所ZYX など、うちで得意な製品ばかり、いつまで居てもきりがありません。

4階はお馴染のメーカーが並びます。DS Audioアイコールトライオードエアータイトなどですが、もうよく分かっているので表敬訪問のみで失礼しました。
最後は一番上の5階。
ラックスマンは新発売の管球プリ&パワー(CL-38uC&MQ-88uC)で、これも新しいFOCAL のスピーカー KANTA No2 を大変心地良い音で鳴らしていました。これは意外と良い組み合わせです。

楫音舎のPLATANUSでは朗報がひとつ。
現行カートリッジは2.0S ですが、これに弟分、3.5S が加わりました。
2.0S と同じ磁気回路をもちながら、自重とコストをスリム化、24万円とかなり購入し易い価格を実現しました。
コアレス・ストレートフラックス方式のカートリッジで気を吐くトップウィングでは、これらのカートリッジとともに台湾のTien Audio の新しいプレーヤー TT5 をデモしていました。これは現行のTT3 からのグレードアップも可能というコンセプトがユニークです。
SAEC には話題の新トーンアームWE-4700 が参考展示されるというので楽しみに見に行ったのですが、展示用ケースが間に合わないとかで残念ながら見られず。せっかくの機会で本体はあるのですから、何とかして見せてもらいたかった。2日目の日曜日には展示したのでしょうか?

気が付くとあっという間に6時。今回(土曜日)はとにかくどこのブースも混んでいて大盛況、活気に溢れていました。
2018年06月06日
 

 
とうとう今日、関東地方も梅雨入りしました。
朝からしとしとと煮え切らない小雨が降り続き、突然いかにもの入り方です。この1週間ほど、とても天気が良く、湿気も低くてなかなか過ごしやすい気候だっただけに残念。いいことはそう長続きはしません。
店には毎日自転車(ママチャリ)で通っているのですが、乗って行けない日も多くなりそうです。

今日朝食をとりながらTVを観ていると、気象予報士の方が、「室町時代に全く雨の降らない日照りが続き、雨乞いに梅の実を供えたところ、大雨が降った」と梅雨の由来を話していました。
へえ、そうなんだ、と試しにインターネットで検索してみると、「中国から梅雨(ばいう)として伝わり、江戸時代頃に“つゆ”と呼ばれるようになった」、また「梅の実の熟す時期の雨」(語源由来辞典)などとあり、要するに諸説あって本当のところはよく分からないということのようです。ただ中国でも梅雨と書くというのですから、日本で梅を供えたから、というのは少々怪しく思えます。
「つゆ」という読み方にも諸説あるようです。
2018年06月03日
 

 
現在、世界的に最も注目を集めるオーディオショウであるミュンヘンのハイエンド・ショウから、耳寄りなニュースが届きました。
なんとあのSAEC アームが復活を果たすというのです。
店主はかねてよりSAEC アーム復活を強く望んでいた一人ですが、当時の設計・製作者が亡き今、ほぼ可能性は無いだろうと思っておりました。ただ、図面等、当時の資料は残っているはずですから、再び製造すること自体は不可能ではないはずです。要は、現在のアナログ製品の常で、販売量(=生産量)とコストの問題です。
それでも敢えて再び作ることを決めた背景には、SAEC のアームが今でも世界的にもトップクラスの人気があり、コストがかかってもある程度の販売が見込めるとの判断があったのでしょう。ドイツで最初に発表されたことからも分かるように、当然ながら国内のみではなく、むしろ海外のハイエンド市場での販売を中心に見越しているはずです。

今回ミュンヘンで発表されたWE-4700 は40年近く前のWE-407/23 を基に作られています。写真で見較べると実に細部まで正確に再現されているように見えます。
レポートによると、外見からは分からない部分で、最先端の技術を駆使することによって、オリジナルでは複数に分かれていた部品を一体加工したり、ダブルナイフエッジを始めとする各パーツの加工精度を向上させるなど、中身はいっそうの進化を遂げているといいます。

復活を現実にした立役者は、長岡市にある内野精工(株)。
「手のひらに乗るサイズなら、どんな素材でも形にします」という、多数のNC複合自動加工機,NC旋盤等を駆使して、今までオーディオ製品,医療・光学部品などを手掛けてきた微細精密加工を得意とする企業です。
 

 
今秋~年内に発売が予定されているとのことですが、気になるお値段は$9000 ほどになる見込みだそうです。