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理化学研究所、見学
2026年07月23日
 

 
理化学研究所、略して理研ですが、ご存じですか?
聞いたことはあるけれど内容はよく知らない、というのが普通でしょう。
科学方面に興味のある方はご存じでしょうが、一般には「小保方さんのニュース」で名前が知られることになったかもしれません。
「1917年(大正6年)に創設された物理学,化学,工学,生物学,医科学など基礎研究から応用研究まで行う、日本国内では唯一の自然科学系総合研究所」(Wikipedia)で、国立研究機関の最高峰です。
国内に拠点はいくつか点在しますが、本所は埼玉県・和光市にあります。

今回、加入している荻窪青色申告会の企画で、この和光市の理研の見学会が実施されるというので、いの一番に申し込んで参加してきました。自宅からは意外に近くて、車で30分ほど。
募集定員は15人で、こんな堅苦しくもマニアックなところに行こうなんて人は(しかも平日に)、集ってもせいぜい3,4人くらいでは?などと思っていたらとんでもない、集ってみたら15人いたので、恐らく早い者勝ちで締め切ったのでしょう。まさかの(?)大盛況です。
同じ時間帯(午前9時過ぎ)に現地入口守衛所前に集まったのは他にも数グループありましたから、見学会(?)は実は結構な人気なのかもしれません。

和光研究所は、敷地内に点在するいくつかの研究棟から成っています:

●数理創造研究センター
●量子コンピュータ研究センター
●脳神経科学研究センター
●環境資源科学研究センター
●創発物性科学研究センター
●光量子工学研究センター
●仁科加速器科学研究センター ←

広大な研究所全部を見るなど不可能ですので、今回は中でも最もインパクトありそうな、上記一番下の「仁科加速器科学研究センター」だけに的を絞っての見学です。ここの主役はいわゆる粒子加速器、超電導リングサイクロトロン(SRC)です。
まずは全員会議室に集まって、引率してくれる久保野教授(東大名誉教授)から元素について、核物理学&宇宙核物理学入門、そしてサイクロトロンの仕組み、このセンターの研究成果などを丁寧に結構時間をかけて説明して頂きました。この講義だけでも貴重です。
因みに、最年少で小学生がお母さんと参加していましたが、「元素検定」(漢字検定のようなもの)なるものについ先日合格したそうで、大人の誰よりもよく分かっているのに脱帽。未来の研究員候補ですね。

そしていよいよ見学に出発。極力荷物は少なくということですが、携帯電話は携行OK、写真もどこを撮っても構わないと至って大らか。施設入り口で靴カバーとヘルメットを着用。
そして目的の超電導リングサイクロトロン SRCへ。ロープで囲われた見学順路を進むのかと思いきや、そんなものは無く、研究者の通るスペースや通路でもないケーブルや配管類の下を腰をかがめて通ったり、先導する久保野教授さえ道を間違ったりするほど入り組んで、下手をすると貴重な機器に触れて壊してしまいそうなところを進むのには驚きました。

コンクリートの壁に囲まれた巨大な建屋の中に納まる SRC は、世界最大・最強の性能を誇る、和光研究所のなかでも花形的存在。
 

 

 

 
直径が約20m、高さが8mあり、残念ながら写真ではその威容が全く伝わりません。
facebook にもっと大きな写真を載せておきますので、そちらもご覧下さい:
https://www.facebook.com/m.taniguchi1

SRC は8,300トンもの鉄の塊で、その鉄の量は東京タワーの2個分!
黄緑色の部分が巨大な電磁石で、これによってイオン粒子(原子核)を最終的に光の70%の速度にまで加速します。この電磁石を超電導による電流によって励磁することで、使用する電力を10分の一にまで削減しています。電荷を帯びたイオン粒子を加速する方法はリニアモーターと同じ原理で、超高速で+-が入れ替わる交流電流によって発生する交番磁界でイオンを引っ張ったり押したりして導きます。これはダイレクトドライヴ・プレーヤーと同じですね。規模は全く違いますが(笑)
原子核はこのサイクロトロンの中央部に入射され、らせん状に次第に大きな半径の軌道を採りながら外にはじき出されます。出たところで標的に当てて「壊し」、その結果をその後にある様々なセンサーで調べます。
薄紫色の部分は純鉄製の磁気シールドです。











この新型サイクロトロンの大きな成果として、2015年に欧米以外では初となる新しい元素、113番の「ニホニウム」の発見がありました。もちろん日本発の元素という命名です。
現在は元素番号120 の発見に理研を始め各国研究者たちがしのぎを削っているそうです。

ところで、加速器研究センター名に冠されている仁科というのは、「日本の現代物理学の父」とも称される仁科芳雄博士のことで、理研でサイクロトロンを造った先駆者だそうです(1937年)。

和光の理研では年に一度、一般公開を開催していて、今年は11月3日(火・祝)に行われます。普段は立ち入ることの出来ない研究室や実験施設の一部を、数千名の来場者に公開する特別な1日ですので、ご興味のある方は是非参加してみて下さい(要・事前登録):
https://www.riken.jp/pr/events/events/20261103_1/index.html