2025年12月04日
先日、所用を済ませて車のエンジンをかけようとしたら、スターターモーター(セルモーター)がググっと2回転ほど回ったきりでエンジンがかかりません。さらに繰り返すとスターターの動きがもっと鈍くなり、ついにはウッといったきりスターターも動かなくなりました。これはどうやらバッテリーが上がってしまったようです。
イヤー、参ったなあ。原因はともかく、道路脇に停まったままですので、とにかく動かさなくてはなりません。
こんな時の頼みの綱が自動車保険のロードサービス(加入していればJAF も便利)。
バッテリー自体が原因であれば、ジャンプスターター(小型バッテリー)を繋いでエンジンをかけ、そのまま走って帰ることが出来ます。もしもジャンプスターターでもエンジンがかからないようなら自走は困難ですので、ローダー(キャリアカー、積載車)を頼むことになります。
早速、保険会社のロードサービスに電話して場所を伝えると、10分ほどで最寄りの業者から連絡があり、40分ほどで着く予定とのこと、まずはひと安心。
待っている間に車を購入した販売店の社長に電話して相談すると、提携整備工場に連絡してそのまま入庫出来るよう手配してくれました。これで自走、或いはローダーで整備工場へ直行出来ます。実はその販売店は定休日だったのですが、そんな時に無理を聞いてくれるのが個人経営店の有難みですね。うちもそうかな??
さて、お助けマンは予定より早めに到着、ボンネットを開けてジャンプスターターをバッテリー直結のポスト(+)とアースポイント(-)に接続、私がキーを回してイグニッションスタートすると、少しもたつきながらも今度はグルルッとスターターモーターが回って見事一発でエンジンがかかりました。
そのままエンジンを回しながら、テスターでバッテリーや発電状況を調べてくれたところ、発電機(ダイナモ)は正常に働いているが、バッテリーの電圧が低めなので、恐らくバッテリーの不具合でしょう、との話でした。ダイナモの交換となるとコストも含めて少々厄介ですが、バッテリーの交換なら比較的簡単・安価です。あとはエンジンを止めずに整備工場に直行です。
40分ほどで整備工場に着き、すぐに入れてもらってバッテリー周りをチェックすると、やはりバッテリーの不具合と判明。電圧が低くなっていて、そのためスターターモーターが回らなかったわけです。
車両側に問題が無いのが分かったのは大変良かったのですが、なぜバッテリーが急にダウンしたのかははっきりせず気掛かりではあります。バッテリー個体の不良と考えるしかなさそうです。
バッテリーの取り寄せがあるので、一旦車を預けてその日は帰りました。
翌日連絡があり、バッテリー交換完了とのこと。ただ、テスト走行した際にアイドリング時の若干のブレ、いわゆる不整脈が感じられたので、整備をご検討下さい、とあります。
確かに最近、アイドリング時にブルッと振動を感じることがありました。これは主に点火プラグ(スパークプラグ)の劣化によりそのシリンダーでミスファイアーが発生するのが原因です。
同時に、各シリンダーごとのミスファイアーの回数を棒グラフにしたテスター画像まで送ってくれました(こんなところもまた、個人経営の専門工場ならではですね):

before
これを見ると、第3シリンダーが目立ってミスファイアーが多くて100回近く(縦軸が回数)、隣りも少し多めです。データやグラフに弱いオーディオ屋にとって、こんなに分かり易いデータを見たら黙って見過ごすことなど出来ません。点火プラグは消耗品、そろそろ交換しようかと考えていましたので、じゃあ、劣化している3番の点火プラグだけ交換すればよさそうなものですが、さすがに一度にまとめて交換するのが常識だそうです。そりゃ、そうですよね。
肝心の点火プラグは重要パーツにしては安価で、ひとつ数千円~1万円程。ここでは今まで付いていたのと同じ、NGK(国産)の純正品にしました。問題はこのプラグとペアを組むイグニッションコイルで、これが結構高くひとつ数万円します。コイルならあまり劣化しないんじゃないかなというのはオーディオ屋の甘い憶測で、点火プラグとイグニッションコイルは必ずペアで交換するものだそうです。
昔は、エンジンルームの脇にビール缶のような円筒型のイグニッションコイルがあって、そこからディストリビューターで各シリンダーに点火電流を分配していたものですが、今は各シリンダーごとに小型のコイルを備えるダイレクト・イグニッションになりました。お陰で交換するコイルの数が気筒数分必要なわけで、コストが結構かさむのが難点ですね。
さて、パーツ取り寄せもあって3日ほどで作業完了の連絡がありました。点火プラグ&イグニッションコイル交換後の特性は:

after
グラフでも分かるようにミスファイアーがほとんど無くなり、アイドリングも非常に静かになり、アクセルを踏み込んだ時の吹け上がりもストレスフリーになりました。ちょっと痛い予定外の出費とはなりましたが、効果は大きく、当分の間はこれで安心です。
アナログ・プレーヤーも規模は違えど同じ機械です。少しでも異変を感じたら早めに対処することが、いつまでも気持ちよく作動させる秘訣です。