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2014年10月14日

 

台風一過とはこのこと、少々風が強かったものの雲ひとつない青空が広がりました。

今日はお得意様同士で開かれた(?)「フォノカートリッジ・オフ会」(当店の勝手な命名)、たまたま当店で知り合われたお二人で1週間前からの企画です。
方や40年以上のヴェテラン、方や旧モデルの知識豊富な新進気鋭オーディオファイルと世代も異なるお2人ですが、話はピッタリ合って盛り上がり、ADC,FR,GRACE,HIPHONIC,ENTRE 等々、とっかえひっかえ音聴き。
半世紀以上前、GRACE 最初期のF-5 が瑞々しい音で鳴るのは感動モノでした。
一部には交換針も確保して、保管の良さが光ります。

モノラル時代のGE、NEATカートリッジやAIWA独自規格カセットテープの参考出品(?)もありました。
第2回も開催予定のようです。

皆さんもアナログ・オフ会、楽しまれてみませんか?
お一人でも構いません、狭いのが難点ですが当店を自由にご利用下さい。

2014年09月25日
 
昨日24日に東京フォーラムでのインターナショナルオーディオショウに行ってきました。
いつものように面白そうなブースに目星を付けて、上の階から順次降りていくように回りました。回った順に好印象だったところを挙げますと:

まずディナウディオ。
背高ノッポのCONFIDENCE C2 Platinum を井上千岳氏のデモで。エレクトロニクスはカナダSIMAUDIO の新シリーズMOON NEO 。
井上氏の最近の愛聴盤からバロック・ヴァイオリンとピアノ・ソロを聴きましたが、スピーカーのオーガニックな持ち味とうまくリンクして、大変素晴らしい音色を披露してくれました。
最後までは聴けませんでしたが、編成の大きなオーケストラ物も聴いてみたかった。
昨年聴いた時よりずっと良い印象でした。

次は同じ階のフューレンコーディネート・ブースでのPIEGA 。
見たこともない、ピエガとしては異例にバカでかいスピーカーシステムに驚きました。モデル名はMaster Line Source。
これはこれから発売予定の最上級モデル(二千万超!)だそうで、銀色のマグネパンのような大きな衝立型ミッドハイ部(高域リボン型×24,中域リボン型×9ユニット)と、これまたでかい縦に6本の22cmウーファーが並んだ箱型ベイス部が独立して片側セットで2基,左右で4基構成の大型システムです。
部屋が飽和気味でたっぷりした低域を持て余していたのが残念でしたが、まるでコンデンサー型のような音触のミッドハイはなるほどと思わせるものがあり、完璧にセッティングされた状態での潜在能力はかなりのものと感じました。
エレクトロニクスはOCTAVE 。これに関してはソリッドステートの大型モノブロック・アンプなどでも聴いてみたいところです。

ひとつ階を降りて、アブサートロン。
アメリカの名門Westlake のBB10VE をコロラドのBoulder のアンプとCDプレーヤーで。
近年のスマートな高級スピーカーと比べるとバッフル面の幅も広く、良きアメリカの雰囲気を漂わせていますが、それでも同社のなかでは比較的スリムでコンパクト(?!)、まとまりの良いスピーカーです。
その外観どおり、大変整った素敵なサウンドを聴かせてくれました。荒っぽいところなど微塵もなく、それでいてかかっていた女性ヴォーカルのエンターテイメント性がしっかり生きて、さすが堂々たる再現です。
パワーアンプにコンパクトなモノブロックの850 を計4台使ったバイアンプ・ドライヴも奏功していたようです。
お聴きになりたい方、どうぞご一報を。

帰り際、おや、どこかで見たような恰幅のいい外人さん、ボルダーの創立者・デザイナーのジェフ・ネルソン氏でした。
もう24年前から度々日本を訪れ、歩くのが大好きだそうで(それにしてはちょっと肥え気味?)、吉祥寺にある私もお気に入りの井の頭公園を散歩してきたそうです(今回の宿泊も吉祥寺)。

ひとつおいて隣りのアッカはいつものYG ACOUSTICS 。
昨年と変わらず、同じアメリカのフルメタルジャケット、MAGICO と並んでこの種のスピーカーの両雄との認識を深めました。
木の香りのするのもいいけれど、こうしたスピーカーもこれからは間違いなくひとつの流れとなっていくに違いありません。いえ、もうなっていますね。
アルミの塊から旋盤で削り出していく執念のダイアフラムあってこそのベイス・サウンドです。

そしてひとつおいて隣りトライオード・ブースには、今回楽しみにしていたうちのひとつ、カナダからの新顔、KRONOS のターンテーブルが待っていました。
ちょうど藤岡 誠氏が名調子でデモ中、大盛況で部屋に入ることもままなりませんでしたが、終わったところでようやく実物をつぶさに観察することが出来ました。
かねてより国内への紹介を心待ちにしていたのですが、精緻,かつマッシヴな姿は期待に違わぬものでした。
参考出品ながら、やはりトップモデルのKRONOS の洗練された威容は圧巻で、上下のプラッターが静かに音もなく反転する様は、時の象徴でもあるクロノスから、機械時計を見ているかのようです。
音はどうかって? これで悪ければ最悪、CDから切り替えてレコードをかけた途端、生々しいサウンドがほとばしり出てきましたので大丈夫、ご安心を。

その並びのハイエンド社ブースのドイツLansche Audio。昨年と同じイオン・トゥイーター搭載の比較的コンパクトなスピーカーNO5,1。
ほとんど表に出ることはありませんが、これは本当に素晴らしいスピ-カーだと思います。

さて最後に向かったのは、もうひとつ楽しみにしていた初参加のヨシノトレーディング・ブース。
デジタル・ソース類は一切置いていないという徹底したアナログ主義(?)は同社らしく、アナログ・レコードのみによるホットなデモが「アナログの伝道師」こと壁谷氏によって行われていて、こちらも満員の盛況でした。

目玉は本邦初公開のターンテーブル、Clearaudio のMaster Innovation。
リニアトラッキング・アームのTT2 を搭載しての勇士は、先のKRONOS とはまた違ったクールビューティ。こちらも上下2枚の重厚なプラッターが回っています。
組み合わせるエレクトロニクスはもちろんパラヴィッチーニ氏のEAR。
生々しいDG ホロヴィッツのモスクワ・コンサート、Blue Note 復刻45回転盤 SOMETHIN' ELSE などハイスピード・アナログが堪能出来ました。
ブースの外ではEAR 社主ティムさんが、新しく取扱いに加わったアメリカのケーブル・ブランドKubala-Sosna のジョー・クバラ氏と話に花を咲かせていました。
そこからの帰り道、空中の渡り廊下では、CONSTELLATION AUDIO ドリームチームの一員、ピーター・マドニック氏とすれ違うなど、今回インターナショナルショウらしい場面も多く見受けられました。

まだ訪れずに終わってしまったところがいくつもありましたが、これ以上長居すると苦手な帰宅ラッシュの中央線に乗る羽目になるので、今回はこれで失礼。
2014年08月27日

あなたはドアをノックするとき何回叩きますか?

私は2回です。大体の方はそうですね。
朝、テレビの番組でノックの回数について取り上げていました。
ビジネス・マナーや面接では常識だそうですが、2回はトイレの確認用、3回は親しい間柄で、初めての場合や目上の方など礼を尽くす必要のある場合は4回なんだそうです。

そうなると私はどんな人にもトイレチェックをしていたことになります。
でもこれは欧米での常識、日本では元々ふすまや障子を叩いてもまともな音はしませんし、下手をしたら破ってしまいます。ノックへの意識が低いのは仕方ないでしょう。

それに4回も叩いたらしつこいと思われそうな気もします。
そんな時は「トントン、トントン」と2回に分けて4回ノックしたらよいそうです。
でも余程正式な場でない限りは、当面やっぱり2回かな。

ところで欧米で4回が正式となっているのは、「運命は、かく扉を叩く」、そうです、あのベートーヴェンの第5の冒頭モティーフに依っているのだとか。
そうなると、やはり気軽には叩けません。しかもテンポをどうするか、休符からアウフタクトで始めなくてはとか、続けてもう1フレーズ叩いてしまいそうだとか、気になる??
2014年07月17日

「わが友に/グリュミオー愛奏曲集」

レコードを残すような有名ヴァイオリニストはたいてい、アンコールで弾かれるような小品集を残していますが、グリュミオーの愛奏曲集がこれ。
発売当時評判が良く、売れたのでしょう、このあと第2集もリリースされました。

最も脂ののった'73年、53才の時の録音です。
こぼれんばかりの美音で歌われる愛すべき小曲たちが、さんざん聴き古したはずなのに今生まれたばかりのように新鮮に響くのに思わず聴き惚れてしまいます。

これは初出時の国内盤ですが、侮ることなかれ、素晴らしい音色で十二分に聴かせてくれます。
70年代はまだ国内盤も丁寧に作られており、その頃にむしろ最盛期を過ぎた海外盤より優れていることさえあります。
このタイトルは人気で蘭オリジナル盤はなかなか無く高価、それならこの国内盤で十分と感じた次第。
得した気分になりました。
2014年07月12日

MHaudio WAONスピーカーの常時試聴展示を始めました。

この製品、こじゃれたインテリアショップには置いてあるものの、それだけでは可哀そう、ちゃんと音楽を聴くスピーカーとしても聴いて頂きたく私どものところにも置くことに致しました。
オーディオ・ショップとしては初めてでしょう。

日常に溶け込む小さなスピーカー、長野から制作者により一つずつハンドメイドで届きます。
2014年07月07日



Clearaudio TT3+Innovation Compact を中心とした「最先端プレーヤーで聴く魅惑のアナログ・サウンド」試聴会にお越し下さった皆様、誠にありがとうございました。
お楽しみ頂けましたでしょうか?

また機会をみて試聴会を開催していきますので、どうぞよろしくお願い致します。
2014年06月13日

表通りから見えるようにビル2階の高さに袖看板を出しました。

駅から降りて店に向かうとすぐ見えてきますので、今後はこの看板を目印にお越し頂けます。
いつもお越しの方もちょっと見てやってくださいね。

2014年05月26日

好評のオーダーメイド・アクリルダストカバー製作、ほぼ同じ時期に2個完成しました。

ひとつはGarrard 301(SME 2本アーム仕様)用で本体プリンツの上に載せて被せるタイプ。
もうひとつはNottingham のSpacedeck HD 用で全体に被せるタイプ。プラッターの厚みがあるので高さのある独特な形状となりました。
どちらもお奨めのガラス色アクリルを使用して高級感あるシックな仕上がりです。

またちょうど同じ時期にMICRO DDL-60 のダストカバーを純正と同じ形状で再製作するご依頼がありました。こちらは純正と同じ透明アクリル仕上げです。

2014年05月11日
 
ちょっとした合間に聴いて、おやっと思ったレコードを取り留めもなくご紹介。
今回は2枚ですが。

ドイツから仕入れたETERNA盤の中にたまたまP.シュライアーの歌うシューベルトの名作歌曲集「美しき水車小屋の娘」が2枚ありました。
1枚は’71年、シュライアー36才の時の録音で、ピアノ伴奏はワルター・オルベルツ。定番です(写真右)。因みに独Grammophn から出ている同じ演奏も、オリジナルはこのエテルナ録音です。
もう1枚は9年後の’80年に録音された同じ曲集ですが、こちらは現代イギリスの作曲家ジョン・W・デュアートとドイツの名ギタリスト、コンラート・ラゴスニークとがギター・ソロ伴奏に編曲した版。
録音エンジニアは違いますが場所はどちらも有名なドレスデンのルカ教会です。

さてこの聴き較べはというと、伴奏楽器を別にしても結構違い、シュライアーが伴奏楽器に合わせてはっきり歌い分けていて、ピアノのオリジナルではいつもの知性的な朗々と歌う歌唱に対して、ギター伴奏では楽器の音量が小さいのとその持ち味に合わせてずっと抑えた、時に囁くような歌い方になっています。技巧的とも言えるでしょう。
また9年経っていますのでその差もあるはずです。
録音も前者のほうが若干オン気味で、さらに若々しさが感じられます。

どちらも捨て難いですが、個人的にはやはり、ミューレリンにはストレートな歌唱、そしてピアノも素晴らしい音で録られている’71年盤に軍配を上げるかな、といったところでした。
皆さんはいかがでしょう?
2014年04月27日
アナログ・プレーヤーではNHK御用達の流れを汲む名機を輩出したDENON。
なかでもレザー仕上げの洒落た外観で異彩を放つDP-6700 のフルレストアを行ないました。
それぞれ単品として販売されていたDP-6000 ダイレクト・フォノモーター、DA-307 トーンアームを得意の厚手積層合板のキャビネットに収めたモデルです。
既に40年近く経っていますが、完成度の高いパーツでシンプルに構成されていますので、今の製品と比べても見劣りしないばかりか、現在メーカーとしてこれだけのものを生産するのは不可能と言え、思い入れがあることもあって、少しコストがかかっても買い替えではなく修理・レストアで生き返りを試みました。

フォノモーターは各パーツの劣化で完全に回転不能、中核となるダイレクトモーターは生きていると考えて、何枚もの回路基板の修理が大半となりました。
アルミのプラッターもアルミ特有のブツブツした腐食だらけでしたが、磨き上げて写真のとおり見違えるような輝きを取り戻しました。
トーンアームは分解してダンパー部分の緩みを補正、各部再調整,清掃のうえ組み上げて新品同様に。
レザー張りのキャビネットも徹底的に清掃、ダストカバーはすり傷は多いものの幸運にもひびや割れは無いので、当店得意のダストカバー・ポリッシングできれいさっぱり。
すっかり現役復帰、蘇りました。
2014年04月24日
録画しておいたETV特集を観ました(19日放送分)。去年放送したものに新しい映像を大幅に加えて再編集したとのことで、約90分に及ぶ力作、BBCの番組あたりと比べても遜色ない出来で、なかなか見応えがありました。

弦楽器が大好きと言っていても、ストラド(省略語)についてほとんど何も知らなかったようで、あらゆる角度から映像で語られる内容は実に興味深く、飽きさせません。
オーディオ的にも面白く、数十本のマイクを球形面上に配置し、実際にその中心でストラドを弾いて音の飛び方を測定したり、ストラドに数十本のレーザー光を当ててそのボディの振動モードを3D画像で観測するなど、最新の科学的分析にも興味は尽きません。

驚いたのはストラディヴァリは多作家で現存するストラドは600挺もあること、そして何よりストラドを愛用する現代のヴァイオリニストのひとり、イヴリー・ギトリスが92才(!)の今も現役で弾いているという事実!恐れ入りました。これもストラディヴァリウスの成せる魔術のひとつなのでしょうか。

26日(土)0:00時(金曜深夜)にも再放送しますので、未見の方、是非ご覧になって下さい。
2014年04月07日
4月に入って消費税増税となりましたが、輸入オーディオではそれ以上に怖いのが円安のあおりを食っての値上げです。
これだけ円安が進み、それが続けば致し方の無いところでしょうが、いよいよ今年に入って順次各輸入代理店からの値上げの知らせの届くことが多くなってきました。

1月にジェフ・ローランド,ナグラ,アヴァロン,dcsなど、2月にはタンノイやマッキントッシュの他、ベンツ・マイクロが販売再開を機に、3月にはプロジェクトやプライマー,ウィーン・アコースティクス,ソナス・ファベール,Dr.ファイキャルト,ブルメスターなど、4月に入ってモニターオーディオ,EARの一部、そして先日お伝えしたのが5月からのトーレンスの値上げ。
これらは一部で、ほとんどの輸入元が値上げを行なっているといってよいでしょう。
しかも値上げ率は増税の比ではありません。

もし近々購入をお考えのものがありましたら、一度輸入元ホームページで確認されることをお奨めします。或いは私どもにご確認下さい。
2014年03月23日
先日TVでニュースを見ていたら今好調な(という)ドイツ車Audi のショウルームが映り、少し偉そうな営業担当の方が、
「ウチのお客さまで1,000万円超のクルマをお求めの際、消費税が上がるからと駆け込み購入する方はいません」と、何とも強気な発言。いかにもガイシャ・ディーラー的だなあ、と思ったものです。まあ実際そうなのかもしれませんが、100万円超のクルマにしか縁の無い者にはよく分かりません..。

さて8%消費税導入まであと1週間となりました。これからですと輸入オーディオの場合、国内在庫があるものでないと5%消費税対応が困難となっています。
せっかくならどんどん駆け込んで、浮いたお金でレコードを購入するのが由緒正しきオーディオファイル道です、皆様!
2014年01月19日


伊福部昭

池袋の東京芸術劇場に新交響楽団の第224回演奏会を聴きに行ってきました。
新響はアマチュア・オーケストラですが’56年に作曲家の芥川也寸志を音楽監督として創立、既に長い歴史をもつ名門です。
その技量はプロに比べても聞き劣りすることがないばかりか、ひとつの演奏会の練習を徹底して行なうため完成度の高さは特筆ものです。

芥川さんが亡くなってから足が遠のいていたのですが、今回は伊福部昭の記念演奏会ということで、本当に久しぶり(20年近く)にチケットを購入しました。
お目当ては敬愛する伊福部の作品ですが、この演奏会は凝ったプログラムで、彼の個展とはせずに他に弟子3人、芥川也寸志,黛敏郎,松村禎三の作品を並べて計4曲としたところがまた聴きどころです。

聴き馴染みのあるのは芥川の「エローラ交響曲」と伊福部の「ラウダ・コンチェルタータ」で、他の2曲は初めてです。
最初に演奏された黛の「ルンバ・ラプソディ」は彼がまだ学生の時、19才の作曲ということで若々しく才気溢れた曲。当時のモダニズムの影響は新鮮かつどこか懐かしさがあります。長らくお蔵入りで国内初演がつい4年ほど前だそうです。

次のエローラ交響曲は芥川がインドのエローラ石窟院を訪れた際に受けた圧倒的な印象を音にしたもので、湯浅卓雄の指揮のもと、強烈なエネルギーを感じることが出来ました。曲の本質を伝える優れた演奏でした。

松村の「ゲッセマネの夜に」は曲名は知っていたものの初めて聴いて、今までこの人にもっていた印象よりは分かり易いかなとも感じましが、4曲中ではやはり一番ゲンダイ・オンガク。夜をイメージ出来る音色の美しさが印象的でした。

そして真打ち、伊福部の代表作のひとつ「ラウダ・コンチェルタータ」(マリンバ協奏曲)は、かつて’79年、山田一雄指揮、新星日本交響楽団の初演を聴き、完全にノックアウトされた思い出の曲で、その時のマリンバ・ソロが今回と同じ安陪圭子でした。
その安陪さん、何と今年で御年77才!聴いている間はそうとは知らず、さすがに気力は少し衰えて60代くらいかな、と考えていたので、「いよっ!!」の掛け声とともに入ったフィナーレの連打での圧倒的な高揚には脱帽でした。
湯浅さんの指揮を聴くのは実は初めてでしたが、きりっと引き締まったリズムで大きなダイナミクスをもって聴かせるところは、とくに芥川と伊福部の曲で活きていて、大きな満足感を得ることが出来ました。

そしてまた嬉しいことに、最後にアンコールで取り上げられたのがファンなら大喜びの伊福部「交響ファンタジー第1番」、あのゴジラのテーマが冒頭に堂々演奏される名曲、観客からは割れんばかりの拍手が送られ、今でも変わらず高い人気を誇る伊福部作品の根源的エネルギーを久々に満喫させてもらいました。
2013年12月27日
たまたまのきっかけで知ることとなったCDコンダクティング・システム(勝手に名付けた仮称)を開発者の津留崎氏のガイダンスで初体験させて頂きました。

製品名はaDMaestro アドマエストロといい、まったく新しいジャンルの製品で、基本はWindows向けのアプリケーション・ソフトでこれとMicrosoft Kinect (複数のカメラを搭載した画像センサーユニット)を組み合わせてシステムとしたものです。

何が出来るのかというと、CD (に限らずWAV,MP3ファイルのデジタル音源)のオーケストラ演奏を自分の指揮で再生することが出来る、つまりCDを自分の好きなように指揮して演奏出来るのです。
デジタルだからこそ出来る離れ業ですが、但し自在に操れるのはテンポのみです。
しかし実際に振ってみると極めて敏感に指揮についてきて、まさに自分で指揮している錯覚に陥ります。
指揮に迷いがあるとオケはちゃんと混乱します。遊び半分のゲームソフトなどではなく、ある程度基本をしっかり振ってやらないとまともな演奏にならず、結構本格的に楽しむことが出来るところがスゴイです。

初めて振る曲に、これなら出来るだろうとワーグナーのニュルンベルグのマイスタージンガー前奏曲を取り上げましたが、これがまたそうは問屋が卸さず、まるで生のオケを振っているようで、普段レコード(うちは普通、CDではなくアナログです)を聴きながらひょいひょい指揮をしているような真似事ではたちまちオーケストラから文句が出てしまいます。
と言っても楽員がブツブツ言うわけではなく演奏がふらふら、いかにも素人指揮者にオケが面喰らっているように鳴ります。
今回の音源はシカゴ交響楽団の演奏でしたから、相手に不足はありません(!?)、クナッパーツブッシュにでもなった気分でフィナーレはカッコよく堂々たるテンポで決めたところ(自分は勝手にそう思っています)、津留崎氏から「あんまり引っ張るもんだから、オケが悲鳴をあげてましたよ」との一言。
たとえベルリン・フィルやウィーン・フィル、あのN響にだってこんな傍若無人,唯我独尊なことが出来るのがアドマエストロです。

でも津留崎氏の本来の目的はもっとシリアス、音大生などの基本勉強や、「ミュージック・マイナス・ワン」CDを使って自分の好きなテンポでアンサンブルを楽しむなど、実践的にも役立てたいとのこと。それだけ本格的なシステムだということです。

すでにNHKやTV東京の「トレたま」でも取り上げられたそうです。
詳細は私どもで改めてお伝え出来ると思いますが、店主のようなオーケストラ曲好きには癖になりそうなシステムです。
2013年12月14日
とかく本国盤(欧州盤と言い換えることも出来ます)に人気が集中しがち、とくにコレクターの間では本国初版でないとレコードにあらず、といった風潮さえあります。
でも音楽ファンには気軽にもっと沢山のレコードを聴いて頂きたい。
そこで気軽に初版当時の香りを楽しめる、国内の初期盤をもっと見直して頂きたいのです。

’50年代終わり頃から’60年代後半頃までのLPですが、当時のLPは高級品ですから1枚1枚丁寧に制作されていて、ジャケットも大体が本国オリジナル・デザイン、ちゃんときれいなビニールコーティングが施された所謂ペラジャケがほとんどで、これが気分を盛り上げてくれます。

肝心の音質も今改めて聴いてみると意外や意外、生々しい音に驚くことが多く、十分以上に楽しめるものです。
キングレコードや日本ビクター,日本コロムビア,東芝音楽工業(赤盤)などが競って当時まだ新しかったLPやステレオ・レコードを高音質で届けようとしていたのが伝わってきます。

ただ、当時は電蓄のようなものも含めて再生機器(ピックアップ)が良くないことがほとんどでしたし、また国内盤が元々大切にされてこなかったこともあり、状態の良い盤は多くはありません。

そのようなわけでようやく少しストックが出来てきた盤を集めて、この「国内初期盤の棚」を新設致しました。
その辺の初期盤専門店にはまず無い、当店独自のレコード棚です。
価格も本国オリジナルからすると数分の一から十数分の一と懐に優しい金額。
少しずつではありますが状態の良好な盤を集めて順次ご紹介していくつもりですので、どうぞ一度お試し下さい。

「国内初期盤の棚」 ⇒ http://www.maestrogarage.com/product-list/84
2013年12月04日
今回新発売となった独クリアオーディオのリニアトラッキング・アームTT3 をつい先日お買い求め頂いたお客様から、お使いのターンテーブルにご自身での装着を完了されたとお知らせ頂きました。

リニアトラッキング・アームとして国内では唯一となるTT3 ですが、海外には結構多くの製品が存在します。
但しアームの水平移動にエアーベアリングや電動機構などをまったく使わないものは世界的にも類がなく、唯一クリアオーディオが製品化しているのみです。
見た目が通常のスイング・アームと違うので難しいのではと思われがちですが、アーム以外に余計な機器を必要としないでアーム本体のみでの使用が可能なので、分かってしまえば意外とターンテーブルへの装着には汎用性があり、簡単です。

レコード交換時に上に跳ね上げるので上方のスペースは必要ですが、アームが回転することがないので設置スペースは意外とコンパクト。
一般のアームのようにシャフトを通す大きな穴をあける必要もなく、実際の固定には小さな平らな面さえあればたった3本のビスを留めるのみです。

今回も、前日に少し分かりにくいと思われる部分のご説明をしたその翌日には各部の調整も終えてお客様ご自身で装着が完了、今までに聴けなかったサウンドを奏で始めているとのことで、私どもにとっても大変嬉しいお知らせでした。

いかがでしょう、取り組み甲斐のあるTT3、万全のサポートで臨みますので是非トライされて下さい。
2013年11月23日
先日コニシス研究所の小西氏と石垣氏がみえました。

CONISIS はカスタム・プロオーディオ機器を中心に、その技術を活かしたコンシューマー・オーディオを製作している拘りのメーカーです。
最近ユニークなコンセプトによる魅力的なフォノステージアンプ・システムMESIASを発売したのを機に、私どもで取り扱いを開始させて頂くことになりました。

今までもプロ機器を彷彿とさせる無駄を排したアンプ群で記憶に残っていたのですが、今回主宰者の小西氏(設計,デザインも自身でこなします)とお話ししてみて、大のアナログ(レコード)・ファンと知り、忽然と現れたMESIAS シリーズについても納得、今までの一貫したポリシーを採りながら自身で納得のいく製品を創ったと分かりました。

同行された石垣氏は同社のアナログ御意見番といった立場で、アナログに対する豊富なノウハウをもって製品にさらに磨きをかけてくれています。
普段の強面がアナログのことを話すときだけ別人のように(?)変わるのを見て、嬉しくなりました。

このお二人の今後、さらに楽しみで期待が膨らみます。
2013年11月16日
先日トーレンスのアナログ・プレーヤーTD206 をご購入下さったお客様が、長年の経験を生かしたDIYチューニングによって独自の音質向上を果たされていますのでご紹介します。

この方はすでに何十台もの真空管アンプを自作されているベテランの自作派ということもあり、久し振りにお買い換えの市販プレーヤーも眺めているといくつもアイデアが湧いてくるようです。
TD206 はシンプルな構造で、その点自分流にアレンジする素材としても好適です。

1)まずカートリッジを附属のオーディオテクニカから、ご愛用のDENON DL103 へ交換。
その際にカーリッジの高さが異なるのでアーム自体を下げたいのですが、あいにく下げるのはこれがいっぱい、上げるほうは比較的容易に出来るのですが。
そこで手元にあった2t のアクリル板でカートリッジ・スペーサーを自作。

2)視点を変えて、プラッターのほうを2mm上げても同じですので、元からの4t アクリル・プラッターを6t のプラッターを作って交換。
製作は私どもが担当させて頂きました。
これによりカートリッジ・スペーサーは不要となり、プラッターも若干重量増で安定。一挙両得!

3)50mm径,厚さ20mmの真鍮丸棒をDIY店で購入、得意の穴あけ加工で市販品!?と見紛うばかりのレコード・スタビライザーの出来上がり! 重量も約300gと程よい重さです。

自分だけのアイデアと工夫で、音質向上も倍返し、こんな楽しみ方、良いですね。

詳しくはご本人のブログをご覧下さい。「トーレンス・プレーヤーTD206変身術」として現在1~3までアップされていますが、まだ続くとのこと、楽しみです:
http://6bq5m.blog107.fc2.com/blog-entry-83.html
2013年10月13日
14日まで3日間、有楽町駅前の東京交通会館で開かれていた毎年恒例のハイエンドショウ・トウキョウを観てきました。

お目当てはアナログ機器中心で、EARやクリアオーディオ,ノッティンガムなどを擁するヨシノトレーディング、トーレンスのバラッド、真空管アンプのトライオード、その他、光電子カートリッジを新たに開発したというDS Audioなど、今回新しく紹介されるいくつかのメーカーです。

ヨシノトレーディングは大きな専用ルームを使い、代官山・蔦屋をはじめとして各地で数多く開催してすっかり定着してきた感のある「大人のアナログ・レコード・コンサート」スタイルでアナログ・レコードの魅力をアピール、毎回多くの聴衆を集めて好評でした。
とくにアナログ・プレーヤーにはクリアオーディオのInnovation Compact ターンテーブルに同社の誇るリニアトラッキング・アームTT3 を搭載したシステムが披露され、安定した再生を聴かせてくれました。
英国の赤鬼、Mr.チューブことEARのティム・デ・パラヴィチーニも終始にこやかにお客の対応に追われていました。

バラッドはラインナップの豊富なトーレンスのアナログ・プレーヤーをずらりと展示、今回新たに発売となったTD206,TD209 の赤いボディがひときわ目を惹いていました。
独ムジークエレクトロニク・ガイザインから新たにお目見えの、四角い一つ目親父のような3ウェイ・アクティヴ・モニタースピーカーは坂本龍一のピアノソロをまさにそこで弾いている如くに再生し、その実力を改めて認識しました。

トライオードは、私も心待ちにしていた300Bパラシングルのモノラル・パワーアンプをお披露目、正面にメーターを配したデザインはなかなかです。

ショウのホームページで紹介されているのを初めて見て、なるほどこれは面白そうと楽しみにしていたのが、DS Audio という国内メーカーの光電子フォノカートリッジです。
光電子カートリッジというのは、ヴェテランの方の中にはご記憶の方もおられるかと思いますが、40年ほど前、東芝オーレックス,トリオ,シャープ・オプトニカなどメジャーメーカーが発売していた、最先端技術を応用した製品でした。
当時はフォトトランジスターと豆電球(!)を使っていましたが、今なら時代の寵児LEDが使え、格段の高性能化,小型化が図れます。
展示されていたものは試作品ではあるものの、ほぼ完成形で、今年中には市販が開始される予定とのこと。
しかもカートリッジと専用イコライザーアンプとのセットで少々驚きの価格を実現してのお目見えのようで、大きな期待を寄せたいと思います。
近々当店から正式なご案内が出来るはずですので、ご期待のほどを。

他にはすでに実績あるメーカーですが、コニシスがコンシューマー・モデルとして大変気の利いた小型フォノ・ステージ・システムを発表していて、印象に残りました。
これも近々詳しくご紹介させて頂くつもりです。

他にもまったく新しい国産高級真空管アンプ・メーカー、COEUR d'ALENE コアダレンというところが、大変美しいデザインのプリ&パワーアンプを発表、細部の構造,仕上げなど各所に独自の工夫が凝らされ、これもなかなかの出来栄えと感じました。
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